カメラ沼へ一直線/Jujuの“気遣い”/ドキドキのペペロンチーノetc.【SF富士テストメディアデー・ダイジェスト】

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2024年07月12日 10:50  AUTOSPORT web

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2024スーパーフォーミュラ富士公式テスト 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 富士スピードウェイで行われた今季2回目のスーパーフォーミュラ公式合同テスト。走行前日の7月6日には、『メディアデー』として、各チームのドライバーと監督が出席する囲み取材のセッションが設けられた。主に前半戦の振り返りやテストへ向けた抱負がメインの話題となったが、普段は聞けないようなやり取りや、エピソードが披露された時間にもなった。ここでは、そのなかからいくつかのやりとりを紹介したい。

■大嶋和也が語るドリフト参戦の“効能”

 今シーズンはフォーミュラ・ドリフト・ジャパンにも参戦中の大嶋和也(docomo business ROOKIE)。今回もスポーツランドSUGOで開催されたFDJ Round4では、単走予選で31位タイとなり、TOP32トーナメント進出を果たした。

 本格的にドリフトに挑戦していることは、スーパーフォーミュラやスーパーGTのドライビングにもかなり活きているという。

「一番は身体のセンサーですね。(クルマが)横を向いてコーナーに入っていくという感覚がまったくなかったので、ある程度滑り出してから、少しずつゆっくり角度を増していって、それをコントロールすることは全然問題なくできるんですけど、ストレートの段階からいきなり(クルマを)真横に向けるという行為にすごく抵抗がありました。そのセンサーを作るのに少し時間がかかったかなと思います」と大嶋。

「最初はドリフトが本業に悪影響を及ぼしたら嫌だなと少し不安な部分もありましたけど、ドリフトがちゃんとできるようになってきて、GTもSFも思い切って攻められるようになってきているので、確実にプラスになっていることの方が多いかなと思います」と、FDJ参戦を前向きに捉えている様子だった。

 実際、ドリフト競技に出て腕を磨いていくことで、マシンが滑り出した時のコントロールは自信がついた様子の大嶋。「クルマが滑り出す時に、以前だと『ヤバい!』と思う速度とか滑る量が、今では全然余裕というか怖くないですね。ただ、それを上回る速度で滑られたら、この前の(SF第3戦SUGOの)最終コーナーみたいに刺さってしまいますけどね」と苦笑いしながら話す場面もあった。

■岩佐歩夢考案のペペロンチーノ、最終版が確定

 7月20〜21日に富士スピードウェイで開催される第4戦では、サーキット内にあるレストラン『CRANE Garden』で、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)とのコラボメニューが数量限定で販売されることとなった。

 これは5月14日にABEMAで配信されたスーパーフォーミュラの情報番組『サーキットで会いましょう』で岩佐が普段の自炊で作っているというペペロンチーノを披露。それを試食したABEMAモータースポーツアンバサダーの日向坂46・富田鈴花さんが「100億満点!」を付けたことで、『AYUの100億満点ペペロンチーノ』として再現され、販売されることとなった。

 これについて聞くと「自分が普段、本当に自分のために日本でも海外でも自炊で作っている料理が、サーキットのレストランでファンの方々に食べていただけるというのが……販売が決まった時は驚きもありつつ、ちょっとドキドキするというか(苦笑)」と岩佐。

「もちろん嬉しい気持ちはあります。ただ、普段は自分だけが食べているものなので、それが“美味しい”と感じるのも自分だけかもしれないので……」と、どこか自信なさげな様子ではあったが、「レストランの方に作っていただいたものを試食する機会があって、そこで自分自身もとても美味しくいただけましたし、スタッフの方も美味しいとおっしゃっていました。本当に美味しい一品になっているので、ぜひ皆さんに食べていただきたいなと思っています」とコメントしていた。

 番組で岩佐が調理している映像をもとにCRANE Garden側が再現。それを公式テストのためにサーキット入りした岩佐が試食し、味の濃さなどを確認して最終版が決まった模様。このペペロンチーノは7月20・21日にCRANE Gardenで販売され、価格はバケットが付いて1000円(税込み)。なお、数に限りがあるとのことなので、気になる方はお早めに。

■Juju「私の話よりも……(苦笑)」

 今回のメディアセッションでも一番注目を集めたのはTGM GrandPrixだった。今回は池田和宏代表に加えて、53号車のJujuと、今回55号車からテストに参加した大津弘樹、大草りきの計4人が出席した。

 やはり最初の話題はスーパーフォーミュラで史上最年少&日本人女性ドライバーとしては初めての参戦となるJujuの前半戦総括について。

「なかなか言葉にするのは難しいですけど、走れば走るほど進化していることは間違いないです」と池田代表。

「セッティング面で言うと、アンダーステアなクルマの方が安定して走れる傾向にあるんですけど、クルマ的にはフロントが入っていってくれるオーバーステアの方がタイムを出しやすかったりします。そういうクルマを乗りこなしていかないといけなくて、チームとしてはそういう要求をしたいのですけど、路面が冷えていたり、雨が降っていたりとか『これはキツイなぁ』と思う場面もありました。その中で、徐々に慣れてきてくれているのかなと思います」

 特に第3戦SUGOの予選日では進歩したJujuの姿が垣間見えたようで、「前回(SUGO)は、自分から『もっとアンダーを消した方が良いと思う』とコメントしていました。それは本当に大きな進歩だと思います」と評価していた。

 Jujuも前半戦を振り返り「本当はもっと練習もしたいんですけど、この短期間の中で『少しでも安心して自分の走りができるように』とチームの皆さんも考えてくれています。自分もスーパーフォーミュラというマシンに慣れてきたのかなと感じています。SUGOのレースは自分の自信にもつながりました」と前向きに語っていた。

 話したい内容が多いのか、ふたりの掛け合いが予想以上に盛り上がってしまい、途中でJujuが「多分、(メディアの)皆さんは私の話より隣のふたり(大津と大草)の話を聞きたいと思うので、ここまでに……」と池田代表に話題転換をさりげなく求める一幕もあった。

■牧野任祐の「レースより大事な話」

 第2戦オートポリスで初優勝を果たし、勢いに乗っている牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。彼は最近、カメラにもハマっていることで有名で、5月下旬に行われたスーパー耐久の富士24時間レースでは、当初参戦する予定だったチームが予選前にリタイアすることになり、週末のスケジュールがぽっかり空いた。そこにHRCがSNS用の写真撮影をオファーし、フォトグラファーとして予選・決勝とサーキットを走り回った。

 カメラについての近況があれば教えて欲しいと質問すると「それはレースの話より大事ですね!」と牧野。そしてスーパーフォーミュラが展開する写真共有サービス『フォトサポ』の話題に。

「僕は(JRPの)上野社長に『フォトサポを僕もやらせてほしい』とずっと言っています。でも、SFはもちろんドライバーなので(フォトサポに参加するのは)厳しいですし、GTの時もそうです。その他となるとS耐しかないので、S耐でそれをやってくれとずっと言っています」と牧野は熱弁。

「(フォトサポは)ニコンさんがやっているじゃないですか。最近『Z9いいなぁ』と思っていて……僕は普段ソニーユーザーなんですけど『Z9に50mmの単焦点をつけて、何か撮りたいなぁ』と思っています」

 普段、牧野は単焦点レンズを使うことが多かったため、富士24時間レースの際には急きょ望遠レンズを買い足したとのこと。「さすがに50mmのレンズ一本で撮影となると、少し寂しいなと。そこで思い立って静岡市に行って70-200mmのレンズを買って、それで撮影を頑張ってみました。めちゃくちゃ楽しかったです」とサーキット撮影の感想も披露してくれた。

 今後の撮影に関しては「今度、都内でストリートスナップみたいな感じで撮りに行こうかなと思っています。あと、古いライカをもらったので、それもスナップ用にいいなと思って……いろいろ撮りに行こうかなと思っています」とのことだ。

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