「最後の可夢偉は素晴らしかった!」豊田章男オーナーが雄姿を激賞/WECサンパウロ後コメント全文

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2024年07月15日 12:00  AUTOSPORT web

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『ロレックス・サンパウロ6時間』の決勝後にチームの健闘を称えるコメントを発表した豊田章男チームオーナー(TOYOTA GAZOO Racing)
 7月14日、ブラジルのアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス・サーキット)で開催されたWEC世界耐久選手権2024年シーズン第5戦『ロレックス・サンパウロ6時間』の決勝フィニッシュ後、トヨタ自動車の会長でありTOYOTA GAZOO Racing(TGR)のチームオーナーでもある豊田章男氏が勝利を讃えるコメントを発表した。

 2台のGR010ハイブリッドを出走させたTOYOTA GAZOO Racingは、8号車トヨタ(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)が今季初の総合優勝を飾り、7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組)が総合4位で完走を果たした。

 今大会のTGRは、初日のフリープラクティスからトップタイムをマークするなど好調な蹴り出しで、予選でもフロントロウを独占し、迎えた決勝レースではほぼすべての周回でGR010ハイブリッドがレースリーダーに立つ完全制圧を見せた。

 2番手から決勝を戦い始めた8号車は、僚友7号車がトラブルを抱えたことで代わりにレースの主導権を握り、スタートドライバーのハートレーからマシンを乗り継いだ平川、ブエミは優れたタイヤマネジメントを見せ、ライバルに隙を見せることなく総合優勝を飾った。

 そしてポールシッターの7号車は、レース序盤を圧倒的なペースでリードしたが、トラブルにより一時クラス最後尾まで後退。その後はデ・フリース、可夢偉と繋いで着実に追い上げ、最終盤には51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)をオーバーテイクして表彰台目前の4位チェッカーとなった。

 6月のル・マンでの惜敗から1カ月を経て、その雪辱を果たすためにサンパウロ6時間に臨んだTGRのクルーを労う、豊田チームオーナーのコメント全文は以下のとおりだ。

* * * * * * *

豊田章男(TOYOTA GAZOO Racingチームオーナー)

セブ、ブレンドン、亮、そして8号車のみんな、優勝おめでとう!

ル・マンの悔しさをみんながモチベーションに変えて臨んでくれたレース。WECチームだけでなくTOYOTA GAZOO Racingみんなが抱いた悔しさをしっかり晴らしてくれました。ありがとう!

7号車のみんなは、まだ悔しさから抜け出せていないかもしれません。しかし17番手まで沈みながらも4位までポジションをあげてくれた走りは最高でした。

とくに最後の可夢偉のオーバーテイクは本当に素晴らしかった!

ドライバーとしての意地、プリンシパルとしての責任感、エンターテイナーとしての底知れぬ才能、そして波乱ばかりを引き寄せる数奇な運命!そんな可夢偉と7号車を本当に、かわいく思っています。少し自分と似てるところがあるからかな…。

実は、今回のブラジルの結果を、モリゾウはいつも以上にうれしく思っています。そこには、ル・マンの雪辱だけでなく、他にもいくつかの理由があるからです。

ひとつはマイクの復帰。ル・マンの欠場は本当に残念だったけど、無事に戻ってきてくれて本当にうれしかった。まだ完治じゃないそうですが、しっかり治して次のレースもよろしく頼みます。

一方、マイク復帰によってホセが7号車で地元南米を走れなかったのは少し残念でした。10年ぶりの南米でのレース、ホセ自身も本当に走りたかったのだろうと思います。そんななかでもホセはわざわざTOYOTA GAZOO Racingに顔を出してくれました。そして地元ブラジルの応援団を盛り上げてくれました。底抜けに明るいホセがファミリーでいてくれることのありがたさを改めて実感しています。

そして、8号車のエンジニアとしてドライバーとともに表彰台に立ってくれたライアン。初の表彰台おめでとう!彼は、ル・マンの後、休みも取らずに来日し、スーパーフォーミュラのエンジニアもしてくれていました。彼の存在がWECチームと私の距離をさらに近づけてくれています。日本との行き来は大変だと思いますが、これからもよろしく頼みます。

最後に、ブラジルの大応援団。10年ぶりのブラジル開催にトヨタの仲間たちがサーキットに大集結してくれました。南米は距離もあって私自身なかなか行くことができません。それなのに南米の仲間たちの温かさを感じることがよくあります。AkioでなくMorizoと呼んでくれる仲間たちです。今回、この仲間たちの応援が8号車の優勝や7号車の驚異の追い上げの力になっていたことは間違いありません。ブラジルの仲間たち、熱い応援を本当にありがとう!

距離の離れたところで行われたレースでしたが、不思議とチームのすぐそばで戦えたような気持ちになるレースでした。可夢偉がつくってくれているこのチームと、チャンピオンを目指して、これからも“すぐそば”で戦っていきたいと思います。

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