第3回コークスクリュー・ヒルクライム開催。マックス・チルトン操る『マクマートリー・スピーリング』が新記録

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2024年08月14日 15:30  AUTOSPORT web

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8月10〜11日にウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカにて第3回を数える『The Corkscrew Hillclimb(コークスクリュー・ヒルクライム)』が開催された
 北米が誇る自動車界の祭典『ペブルビーチ・コンクール・デレガンス』を頂点に、熱心なファンや地元の人々が集うロレックス・モントレー・モータースポーツ・ウイークの前哨戦として、8月10〜11日にウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカにて第3回を数える『コークスクリュー・ヒルクライム』が開催された。

 お祭り週間のスタートを切るプレ・リユニオン・フェスティバルの一環として実施された競技では、プラクティスから予選、そしてレースセッションが2日間にわたって行われ、スタート/フィニッシュ・ラインから伝説のコークスクリューの頂点までを逆走し、ビルの高さで5階半に相当する丘を登り切ってフィニッシュを迎える独創的な設定となる。

 2022年に創設されたこの競技イベントは、ヒルクライムに真剣な挑戦を期すドライバーと、純粋なデモンストレーションや楽しみのためのエントリーが混在する和やかな雰囲気を特徴とし、初回イベントではピクサーの人気アニメーション映画『Cars(カーズ)』に登場するドック・ハドソン(ハドソン・ホーネット)が出走し、派手なタイヤスモークで観客を魅了した。

 今回のイベントでは、イギリス製の2022年型『McMurtry Spéirling(マクマートリー・スピーリング)』のアメリカ初上陸に加え、コルベット・レーシングの元ファクトリードライバーでNASCAR経験者でもあるアンディ・ピルグリムが、最高出力で約1216PS、最大トルク8800Nmを誇るクワッドモーター・ダイレクト駆動の2024年型『Drako GTE(ドラコGTE)』をドライブすることでも話題を集めた。

 スペック非公開ながら、2基のモーターを備えつつ車重1t以下に収めたグラウンドエフェクト“ファンカー”でもある『マクマートリー・スピーリング』は、すでに英国発のEVハイパーカーとしてグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(GWFoS)でも有名なヒルクライムを経験済み。今回も、そのセンターシート採用のコクピットには開発ドライバーを務める元F1およびインディカードライバーのマックス・チルトンが収まった。

■最新鋭の大型トラクターも登頂を果たす

 以前の大会記録は、世界的ヒストリック愛好家のクリス・ロックが1976年製『ロータス・タイプ77』で記録した34秒69というタイム。今回は2023年のレコード時とはスタートラインがわずかに異なる位置とされ同一比較が困難になったものの、最終のシュートアウトを迎えたチルトンは21秒958という驚異的な新レコードを樹立した。

 その背後では、2位に実業家のマーティン・ラウバーが持ち込んだ1967年式『フォード・ファルコン』が29秒004で続き、僅差でGoogleのエンジニア夫人であり著名なコレクターでもあるクリスティン・スロスの2022年型『フェラーリSF90』が29秒822で並ぶトップ3となった。

 昨季の2023年大会でも、現地の野菜栽培農家としてアメリカ最大規模の生産・出荷企業グループとなるタニムラ&アントルが持ち込んだオフロード用デューンバギーが片輪走行を披露したが、今季はCNHインダストリアルの保有する世界有数の農業機械ブランド、ケースIH製の最大かつもっとも先進的なトラクターが、大歓声のなかコークスクリュー“登頂”を果たした。

「ラグナ・セカで迎える最新型デビューのために、こうしてトラクターを持ち出すのは最高だったし、ファンの反応を見られたのも、この経験全体の価値を高めた」と語るのは、ドライバーを務めてタイムシートにも入らない最高速度で巡航したジョナサン・メリル。

「来年はもっとパワーアップし、もっと素晴らしい性能を携えて戻って来て、マクマートリーをやっつける準備をしたいね!(笑)」

 こうして公式開幕となる週末を迎えた『ロレックス・モントレー・モータースポーツ・リユニオン』は、引き続き8月14日〜17日の期間に開催され、日曜には第73回を数える『ペブルビーチ・コンクール・デレガンス』の日を迎える。

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