長島哲太に聞く夏のダンロップタイヤ開発。鈴鹿8耐でBMWが使用して5位に「間違いなく開発が進んでいる」/全日本ロード

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2024年08月24日 11:20  AUTOSPORT web

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新スイングアームで走る長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)/2024全日本ロード第5戦もてぎ2&4
 2024年シーズンから全日本ロードレース選手権のJSB1000クラスで戦えるダンロップタイヤを開発している長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)。ダンロップタイヤは気温の暑いなかでの走りを苦手としていたが、開発が大きく進んでいる。第5戦もてぎまでに開発していた内容や感触を聞いた。

■夏のタイヤ開発、新型スイングアーム投入のワケ

 長島は今年は鈴鹿8耐に出場しなかったため、夏の期間にDUNLOP Racing Team with YAHAGIとホンダCBR1000RR-Rを走らせてタイヤの開発を行っていた。「テストは3回しました。鈴鹿、オートポリス、岡山です」と異なるサーキットでマシンを走らせたという。

 第5戦もてぎのタイヤは「フロントは、今年作ったベースとして使えるタイヤを使っています。今はリヤに重点を置いて取り組んでいて、今回もまた新しいタイヤです。これは形も違うくらい全然違うタイヤになっていて、いろいろ試しながらですが、間違いなく進歩しています」と長島は説明した。

 23日は曇り空で気温も大きく上がることはなかったが、「第2戦もてぎに比べれば暑くなっているなかで、同じくらいのタイムが出せそうなので進歩しています」とも語った。今大会からは新型スイングアームも投入されているが、車体も「タイヤに合わせたものを作らなければならない」という。

「CBR1000RR-Rでは、自分以外は基本的にはブリヂストンタイヤを履いていて、それに合わせて出来上がっているバイクです。タイヤだけでは補えない部分があり、ダンロップに合わせたバイク作りもしていかなければならないので、それが進み始めて、ある程度データも取れて、欲しいものが見えてきたから今回アップデートが入りました」

 チーム体制と開発状況も「もちろん満足しています」と長島は話しており、「ダンロップの本気度も、チームの本気度もそうです。やっぱり自分も全力で頑張っていますが、例えば自分1人が頑張ってできることは限られていてその先に進めないですし、逆にチームかダンロップだけが頑張っていてもダメだし、関わっている人たち全員が頑張らないといけません」

「JSB1000で勝つことはそんなに甘いものではないので、レースの結果だけではなく、開発のスピードや、やっている内容的に今満足していて、それがさらに自分のモチベーションを高めてくれています。本当にこのまま順調に進むんだろうなと思っています」

■鈴鹿8耐のBMWワークス躍進と長島のタイヤ開発の関係

 2024年の鈴鹿8耐ではBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが唯一ダンロップ勢でトップ10トライアルに残ったことも驚いただろうが、4番手グリッドを獲得して、決勝では5位とベストリザルトを残した。

 EWCではル・マン、スパ、ボルドールはUKダンロップが使用されるが、鈴鹿8耐のみ住友ダンロップが使用されている。今年から全戦統一規定となったSSTクラスも同様だ。

 ダンロップタイヤと長島が開発したノウハウが活かされ、長島は「今シーズンに作り上げてきたものを鈴鹿8耐でBMWファクトリーチームが使いましたが、すごくフィードバックも良かったですし、チーム的にもかなり満足していました。今までと全然違うって言ってくれて、タイムも上がっていましたし、決勝もベストリザルトで終わってくれたので間違いなく開発が進んでいるんだなっていうのは感じられました」と喜んだ。

「自分がやってきたことの確認も含めてBMWがやってくれました。ダンロップの良さは、そこで大きな落ち幅がなく、落ちるけどワンステップ落ちてからはずっとそこでキープできるというのが、持っているキャラクターとして良さがあります」

「BMWは今までのダンロップタイヤも知っているので、どれだけ良くなったかも明確に答えてくれました。本当に安心しました。やっていることが間違っていなかったなって。(JSB1000では開発タイヤを履いているのが)1台しかいないので、自分が良くなったのか、バイクが良くなったのか、タイヤが良くなったのかわかりませんが、他チームや他メーカーのバイクが使っても、タイム上がったのは物が良くなっているということなので、本当によかったです」

 タイヤ開発の進歩や鈴鹿8耐でのBMWワークスの結果を受けて、長島は「第2戦もてぎは2レースとも6位だったので、まずはそれ以上の結果を残すのがまず第1の目標ですね。開発が進んだとはいえ、まだ現状では勝てるかというと、そんなに甘い状況ではないのは理解しているので、自分たちがどのくらい進歩しているかの確認をまず第1にして、あとはトップ10のライダー次第です」と意気込んだ。

「ホンダ勢トップをダンロップタイヤで狙うことが、同じバイクでの評価に繋がるので、まずはそこですね」

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