ミルウォーキー・マイルが復活。オワードが鮮やかな逆転勝利、デイリーはチーム初表彰台もたらす/インディカー

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2024年09月01日 10:00  AUTOSPORT web

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2024年インディカー第15戦ミルウォーキー 優勝を飾ったパト・オワード(アロウ・マクラーレン)
 8月31日、アメリカ・ウィスコンシン州のミルウォーキー・マイルにて、2024年NTTインディカー・シリーズの第15戦『ハイヴィー・ミルウォーキー・マイル250』レース1の決勝が行われ、アロウ・マクラーレンのパト・オワードが優勝を飾った。

 いよいよ終盤を迎えた2024年インディカー。残る3戦はすべてオーバルレースとなり、第15/16戦は9年ぶりにシーズン復帰した全長約1マイル(1.609km)のショートオーバル、ミルウォーキー・マイルが舞台となる。

 前日の予選ではレース1のポールポジションをスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)が獲得した。さらに、予選スピードでは2番手にジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がつけていたが、第14戦ポートランドのレース後に非承認のエンジン交換を行ったため、9グリッド降格のペナルティで11番手にダウン。2番手はデイビッド・マルーカス(メイヤー・シャンク・レーシング)、3番手からリヌス・ルンドクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)がスタートする。

 現地時間18時、迎えた250周の決勝スタートは不整列からか1周の延長があったものの、2周目にグリーンフラッグが振られた。先頭のマクラフランは順当にホールショットを決め、2番手にはルンドクヴィストが浮上する。

 序盤はマクラフランが快調にレースをリード。2番手に2秒ほどの間隔を空けて周回を重ねていく。しかし、20周目ごろにバックマーカーが出てくると展開は一変。2番手ルンドクヴィスト、3番手マルーカスらがその差を徐々に詰め始めた。

 40周目、コースアウト側に多くのタイヤカスが転がり始めたころになると、マクラフランとルンドクヴィストの差は1秒以内に縮まり始め、49周目にはインに飛び込んでルンドクヴィストがトップを奪った。

 そして60周を超えてくると、各車1度目のピットインへ向かい出す。62周目にパト・オワード(アロウ・マクラーレン)、63周目にコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)らが一足先に作業を済ませ、66周目にマクラフラン、マルーカス、67周目に首位ルンドクヴィストが向かった。

 ピットアウト後には、ニュータイヤで大きくゲインしたオワードがアンダーカットに成功しトップに躍り出る。1秒差の2番手にはハータ、7秒後方にマクラフラン、そこにピット作業でロスのあったルンドクヴィストが続く。

 次第に、マクラフランとルンドクヴィストがトップ2台との差を詰めはじめるなか、78周目にはトップ2台がバックマーカーの処理タイミングで急接近。ハータが一瞬の間隙を突き、オワードをパスしてトップに立った。

 迎えた83周目、後方を走っていたキャサリン・レッグ(デイル・コイン・レーシング)がターン2立ち上がりで単独スピン。レースは1度目のフルコースコーションが導入となった。

 この間にコースアウト側のマーブルも清掃が行われ、多くのクルマがピットインを選択。しかしマクラフランはピットインを行わない選択で首位へ浮上、同じくスティング・レイ・ロブ(A.J.フォイト・エンタープライゼス)もスルーして2番手に上がった。3番手以下にはピットインを行ったハータ、オワードらが続く。

 96周目にレースはリスタート。マクラフランが好スタートを決め、ハータがすぐさま2番手に上がってくる。3番手にオワード、4番手には、19番手スタートから追い上げを見せるサンティノ・フェルッチ(A.J.フォイト・エンタープライゼス)がつけてきた。

 114周目、今度はオワードがハータを差し返し、2番手にポジションアップ。さらに119周目にはマクラフランまでもオーバーテイクし、リードポジションを奪った。SC時にスルーしたマクラフランは、タイヤが厳しくなってきたかハータにも迫られるが、なんとかキープしていく。

 レースはアンダーグリーンで折り返しを迎える。130周目ごろには各車ピットインタイミングが迫り、133周目にニューガーデンとマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)が先に動いた。

 次第にアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)とウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が続き、マクラフラン、ハータ、オワード、フェルッチと順々にピット作業を済ませていく。

 ピット作業を終えたタイミングの順位では、オワードがトップをキープ。2番手には大きくアンダーカットに成功したニューガーデン、エリクソンが続く。

 しかし147周目、この2台がまさかの接触となり、レースは2度目のSCが導入。インから並びかけたエリクソンが至近距離からパスしようとした際にタッチ、バランスを崩してニューガーデンを巻き込むクラッシュとなってしまった。


 レースは158周目にリスタートが切られ、先頭のオワードからパロウ、パワーが順にトップ3を形成していく。167周目には、一段と良いペースで追い上げるフェルッチがマクラフランをパスし4番手にアップ、約8秒前方の首位3台を追い始めた。

 パロウとパワーの2番手争いが接近するなか、185周目にラストピットに向かうマシンが出てきた。最初に動いたのは5番手のマクラフランだ。その次に2番手パロウと7番手ハータが動き、首位オワードと4番手フェルッチが続く。

 3番手につけていたパワーはここで一旦スルーを選択したが、ピットアウトしたハータから左フロントタイヤが脱落してしまい、レースはまさかの3度目のSCが導入。

 この時点でオワードは首位を守り、フェルッチが2番手に浮上。以降は、SC直後にピットインを行ったパワー、ルンドクヴィスト、クリスチャン・ルンガー(レイホール・レターマン・ラニガン)、コナー・デイリー(フンコス・ホーリンガー・レーシング)が続き、パロウは7番手にダウンしてしまった。

 204周目にレースはリスタート。レースは残り46周となり、燃費、タイヤライフに余裕のある状態でファイナルスティントに突入した。首位オワードは好スタートでトップをキープし、フェルッチ、パワー、デイリーが順に続く。

 残り28周目、2番手フェルッチのペースが少し鈍った隙に、すかさずパワーとデイリーがパス。パワーはそのまま、約1秒前方の首位オワードを追いかけていく。

 しかし、残り10周時点でもオワードはペースを緩めずにレースをリードする。パワーとデイリーも徐々にその差を詰めるが、オワードも反応してギャップをコントロールし、力強いレースリードを見せてそのままトップチェッカーを受けた。2位にはタイトル奪還を狙うパワー、3位にはシーズン途中からチームに合流したデイリーが続き、フンコス・ホーリンガー・レーシングに初の表彰台をもたらした。

 選手権では、首位のパロウが4位に続いたことでロスを10ポイントに抑え、43ポイント差の2位にパワーがつける、3位だったハータは、ピットでのミスが響き22位フィニッシュに沈んでしまった。1日(日)のレース2決勝は、現地時間14時50分(日本時間2日3時50分)に開始となる予定だ。

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