前回からの続き。私(モモコ)は息子のタケルが2才のときに元夫のユウジと離婚しました。あれから10年。自らの浮気を猛省したユウジは、今は全力でタケルの父親としての役割を果たそうとしています。タケルの野球チームに父親として積極的に関わり、コーチも務めています。しかしチームの保護者のなかで「タケルくんのお家は偽装離婚をしている」と噂になりはじめ……。私は通報される事態を避けるため、ユウジと距離を取るように心がけはじめました。
何も知らないタケルは普通にユウジの話題を出してきます。しかし偽装離婚がささやかれている以上、これまでのカタチは変えていかないといけません。タケルはあまり良く分からないような顔をしていたものの、どこか寂しそうでした。
妹のアンナにも小学生の子どもがいます。ときどきランチをして、私が迷ったときはよく相談にのってもらっているのですが……。噂されていることを理由にユウジとは距離を取ることにしたと話すと、いきなり怒られました。「バッカじゃないの!」
父親が一緒に暮らしていなくても、タケルが寂しい思いをしないように。離婚してからの10年、私なりに必死で考えて動いてきたつもりでした。ただ偽装離婚を疑われてしまった以上、きちんと一線を引かなくてはいけないと思いました。タケルが親の離婚のことでとやかく言われるのはどうしても避けたかったのです。
しかし妹は、そんな私の考え方を一喝したのです。私がユウジと距離を取ろうとしているのはタケルを守るためじゃない、私自身を守るためだと……。思いもよらない意見に、私はすぐに言葉を返すことができませんでした。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子