今回ご紹介するのはジオチャンさんがニコニコ動画に投稿した『イヌ科がネコ科よりも弱い理由がこちら【解説動画】』です。
『百獣の王』を指す言葉はライオンであり、竜のような架空の強大な生物と比肩するとされるのはトラで、どちらもネコ科の動物です。
対してイヌ科の生物はその力の強大さや威厳を示すような表現をされることがあまりありません。また、実際のネコ科とイヌ科を比較すると、体重300kgを超える大型のネコ科動物に対して、イヌ科最強と言われるハイイロオオカミは80kgほどで、仮に1対1で対決するようなことがあればその結果は見えています。
元をたどれば同じ祖先ミアキスにたどり着く2種になぜここまでの差があるかについてジオチャンさんが解説します。
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ジオちゃん:
イヌ科動物とネコ科動物はどちらも優れた捕食者です。しかし大きさや種類にもよりますが、1対1で戦ったら明らかにネコ科動物の方が強いようです。
それではなぜ、イヌ科はネコ科ほど強くないのでしょうか。
そこで、今回はイヌ科動物とネコ科動物の狩猟戦略、社会構造、体の構造の違いについてお話しします。
ジオちゃん:
ネコ科動物とイヌ科動物の狩猟方法は、それぞれの進化的適用と生態学的ニッチに反映されています。
ネコ科動物には小型の飼いネコからトラなどの大型の頂点捕食者の両方が含まれていますが、彼らは主に単独行動のハンターとして進化してきました。
この孤独な性質により彼らは個々の力に頼るようになりました。
ジオちゃん:
単独の狩猟にはステルス性と正確さが求められ十分な身体的装備を整えていなければなりません。
狩りの成功は己の力と敏捷性に頼って待ち伏せし、獲物を圧倒する能力にかかっています。
そのためネコ科動物は強力な筋肉、鋭い爪そして研ぎ澄まされた感覚が発達しました。
奇襲攻撃は彼らの狩猟戦略の重要な要素であり、ネコ科動物は獲物を攻撃する前にできるだけ近づきます。
ジオちゃん:
対照的にイヌ科動物は社会的な動物として進化し、協力的な狩猟を行うことがよくあります。
例えば狼は洗練されたコミュニケーション能力でよく知られており、彼らの社会構造が狩猟戦略に影響を与え、純粋な個人の力よりも、チームワークと持久力に依存しています。
ジオちゃん:
イヌ科動物は包囲や追跡などの戦略を採用する場合がよくあり、これは獲物が疲れ果てるまで続けられます。
彼らの群れではメンバーそれぞれに役割があります。一部のメンバーは獲物を他のメンバーの方へ追いやり、それにより他のメンバーは最終的な追跡に集中することができます。
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この分業のためイヌ科動物はより広範囲の獲物をターゲットにすることが可能です。
こういったことから、イヌ科動物にとって個々の強さは依然として重要な要素であるものの、狩猟戦略の主な焦点ではない場合があります。
協力的な狩猟はより大きくて、手強い獲物に対処する際にイヌ科動物に利点をもたらします。
ジオちゃん:
このように群れによる協力は、個々の強さの不足を補うことができるのです。
さらに、群れで狩猟することは貴重な学習の機会となります。集団での狩りでは群れの若く経験の少ないメンバーたちが狩りを観察し、参加することが可能です。
ジオちゃん:
筋肉密度はある筋肉に占める筋繊維の割合が高いかどうかを示すものです。
この筋肉密度も動物の体力を決定する重要な要素で、ネコ科動物はイヌ科動物よりも筋肉密度が著しく高くなっています。
ジオちゃん:
つまり、筋肉の体積が同じであればネコ科動物の方が筋繊維がより密集しているということです。
その結果、ネコ科動物はより強力な力を発揮し、非常に効率的に獲物や競争相手を圧倒することができます。
この筋肉密度の高さはネコ科動物の進化の歴史の産物です。
ジオちゃん:
多くのネコ科動物に見られる単独の狩りに特化した適応では、各個体のより高いレベルでの身体的強さが必要となります。
この強さは獲物を制圧し最終的に仕留めるために不可欠であり、多くの場合、スピードが重要となります。
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ネコ科動物はこの筋肉密度の高さのため、動物界で比類のない敏捷性と運動能力を発揮することができます。
彼らは驚くべき跳躍力を持ち、急速な方向転換をすることが可能です。
ジオちゃん:
ネコ科動物の骨の構造は、狩りと生存のために驚くべき適用をした進化の証しです。
ネコ科動物はイヌ科動物に比べて頑丈で密度の高い骨を持っており、それが彼らの身体能力を大幅に高めています。
骨は生物の強固な土台として機能し、彼らの持つ強力な筋肉をサポートする役割を果たしています。
ジオちゃん:
またネコ科動物の骨の強さは狩猟活動中にかかる力に耐えるために不可欠で、衝撃を吸収して分散させます。
これにより怪我のリスクが最小限に抑えられるだけでなく強力で正確な打撃を与えることができます。
さらにその強い骨は彼らのクライミング能力において重要な役割を果たしています。
多くのネコ科動物は木登りが上手で、木や険しい地形を機敏に移動することができます。
これは骨の強さがこれらのダイナミックな動きに必要なサポートを提供しているためです。
ジオちゃん:
対照的にイヌ科動物の骨の構造は、彼らの狩猟戦略に適応しています。
彼らの骨は持久力活動に適応しており、ネコ科動物と同じレベルの力と衝撃に耐える必要がありません。
ジオちゃん:
ネコ科動物は噛む力においても優れています。これはライオンやトラなどの大型ネコ科動物で特に顕著です。
ネコ科動物の頭蓋骨は咬合の効率を最大化するように精密に設計されており、彼らの頭蓋骨の形状と構造、特に顎の筋肉と歯の配置はこのとてつもないパワーを生み出すのに役立っています。
ジオちゃん:
この咬合力は大きな獲物を制圧して殺すためで、大型ネコ科動物が攻撃するとき、多くの場合獲物の急所を狙います。
これにより自分よりもはるかに大きな動物を倒すことができます。
ネコ科動物の咬合力は効果的に獲物を確保し、狩りの時に負傷するリスクを最小限に抑えることが可能です。
ジオちゃん:
例えば、野生のイヌ科動物の中で最も強いとされるハイイロオオカミの咬合力は661PSI【※】です。
また最も噛む力が強いと言われる犬種カンガール・ドッグの咬合力は743PSIと言われています。
※PSI
PSI(重量ポンド毎平方インチ)と表示されている。 1平方インチ=約6.5センチ平方、1ポンド=約0.45kg。
ジオチャン:
これに対し、ジャガーの咬合力は1500PSIでこれはイヌ科動物の2倍以上になります。
ジオチャン:
狩猟の際、ネコ科動物が持つもう一つの明確な利点はイヌ科動物には見られない特殊な出し入れ可能な爪です。
この爪は、強力な武器であるだけでなく狩猟能力を大幅に高めるためにさまざまな役割を果たします。
ネコ科動物は爪を使っていない時に引っ込めることによって、爪の消耗を最小限に抑え、常に鋭い状態に保つことができます。
ジオチャン:
さらに狩りをする時の足音を出さないことにも役立っています。
この能力は待ち伏せ型の狩りをするネコ科動物にとって特に重要です。
加えて、この爪は攻撃用の武器であるだけでなく掴んだり登ったりするための貴重なツールとしても機能します。
この爪を使うことにより彼らは木を登ったり困難な地形を移動したりすることができるのです。
ジオチャン:
イヌ科動物も強い爪を持っていますが出し入れすることができません。
イヌ科動物は長距離にわたって獲物を追跡する持久力を用いた追跡ベースの狩猟をします。
ジオチャン:
そのため彼らの爪は獲物をつかむのではなく、獲物を安定して高速追跡できるように適用しています。
以上のようなことから単独での戦いにおいてネコ科動物はイヌ科動物よりも強くなる傾向にあるのです。
同じ祖先をもつ2種で単体での力にこれほど差が出るのはその生態や進化の過程によるものが大きいようです。孤高のハンターの多いネコ科に対して、統制の取れた群体として活動するイヌ科。この差が個の強さに違いを産んでいることに進化のロマンを感じます。
ネコ科とイヌ科の差。このテーマに興味を持たれた方はぜひニコニコ動画でご視聴ください!
▼動画はこちらから視聴できます▼
『イヌ科がネコ科よりも弱い理由がこちら【解説動画】』
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