使う人の「心地よさ」を重視したモデルとして登場した4代目フィット。本記事では、ガソリン車とハイブリッド車のカタログ燃費と実燃費とともにライバル車やホンダの他の車種とも燃費を比較しています。
フィット(ガソリン/ハイブリッド)の燃費
フィットのカタログ燃費は、ガソリン車の2WDモデルで18km/L前後、ハイブリッド車の2WDモデルで27〜30km/L程度です(WLTC燃費)。ただし、実燃費はカタログ値の7〜8割程度と見込まれます。
※この記事では、車両価格や燃費情報をガリバーの「車カタログ」より引用しています。
▽ガソリン車のカタログ燃費と実燃費
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ガソリン車の場合、カタログ燃費は2WDモデルで17.6〜18.7km/L、4WDモデルで16.0〜16.6km/Lです(ともにWLTC燃費)。
ただし、エアコンの使用や走行環境による影響から、実燃費はカタログ燃費の7〜8割程度と言われています。そのため、実際は2WDモデルで13〜15km/L程度、4WDモデルで11〜13km/L程度と考えたほうが良いでしょう。
【グレード】ベーシック
【駆動方式】2WD/4WD
【WLTC燃費】18.7km/L(2WD)/16.6km/L(4WD)
【新車価格(※参考)】172万円(2WD)/192.3万円(4WD)
【グレード】ホーム
【駆動方式】2WD/4WD
【WLTC燃費】18.5km/L(2WD)/16.6km/L(4WD)
【新車価格(※参考)】198.6万円(2WD)/218.7万円(4WD)
【グレード】RS
【駆動方式】2WD
【WLTC燃費】17.9km/L
【新車価格(※参考)】215.4万円
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【グレード】クロスター
【駆動方式】2WD/4WD
【WLTC燃費】17.6km/L(2WD)/16.1km/L(4WD)
【新車価格(※参考)】229.2万円(2WD)/249.6万円(4WD)
【グレード】リュクス
【駆動方式】2WD/4WD
【WLTC燃費】17.9km/L(2WD)/16.0km/L(4WD)
【新車価格(※参考)】230.6万円(2WD)/250.7万円(4WD)
▽ハイブリッド車のカタログ燃費と実燃費
ハイブリッド車の場合、カタログ燃費は2WDモデルで27.1〜30.2km/L、4WDモデルで23.5〜30.25.4km/Lです(ともにWLTC燃費)。
ただし、実燃費はカタログ燃費の7〜8割程度と言われます。ユーザーからは、フィットのハイブリッド車は「実燃費がカタログ燃費の8割近くある」という声も聞かれ、2WD車で概ね20〜23km/L程度、4WD車で17〜19km/L程度だと考えられます。
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【グレード】e:HEVベーシック
【駆動方式】2WD/4WD
【WLTC燃費】30.2km/L(2WD)/25.4km/L(4WD)
【新車価格(※参考)】213.8万円(2WD)/234.1万円(4WD)
【グレード】e:HEVホーム
【駆動方式】2WD/4WD
【WLTC燃費】29.0km/L(2WD)/25.3km/L(4WD)
【新車価格(※参考)】253.3万円(2WD)/254.1万円(4WD)
【グレード】e:HEV RS
【駆動方式】2WD
【WLTC燃費】27.2km/L
【新車価格(※参考)】254.1万円
【グレード】e:HEVクロスター
【駆動方式】2WD/4WD
【WLTC燃費】27.1km/L(2WD)/24.2km/L(4WD)
【新車価格(※参考)】262.8万円(2WD)/283.1万円(4WD)
【グレード】e:HEVリュクス
【駆動方式】2WD/4WD
【WLTC燃費】27.6km/L(2WD)/23.5km/L(4WD)
【新車価格(※参考)】264.3万円(2WD)/284.7万円(4WD)
▽Q. フィットのガソリン代の目安は?
標準モデルの「ベーシック」で(1)レギュラーガソリン174円/L、(2)1000km走行の条件で試算すると、ガソリン代は概ね以下の通りです。
・ガソリン車(2WD、WLTC燃費18.7km/L)…約9300円
・ハイブリッド車(2WD、WLTC燃費30.2km/L)…約5600円
同条件で1年あたり1万km程度走行するなら、ガソリン車とハイブリッド車では約3万7000円ほどガソリン代が異なります。
フィットとライバル車の燃費を比較
ここでは、フィットのライバル車としてトヨタの「ヤリス」「アクア」、日産「ノート」またガソリン車についてはヤリスとマツダ「MAZDA2」と燃費を比較しました。
ガソリン車では、フィットが最も燃費が悪いです。ただしヤリスとは大きな差がありません。一方ハイブリッド車の燃費は、ノートよりは良いものの、トヨタ車には劣ります。
▽ライバル(1)トヨタ「アクア」
【グレード】X(2WD)
【パワートレイン】ハイブリッド
【WLTC燃費】34.6km/L
【新車価格】214.6万円
優れた燃費性能を有するアクア。乗り心地が快適で、操縦安定性も比較的高いです。また、安全装備もフィットより充実しています。
ただしフィットのようにデザインの多様性はないため、よりユニークな外観を求めるならフィットをお勧めします。また、フィットは室内空間が広く、積載性にも優れているので、広さ重視の場合はフィットがおすすめです。
▽ライバル(2)トヨタ「ヤリス」
【グレード】X(2WD)
【パワートレイン】ガソリン
【WLTC燃費】19.0km/L
【新車価格】157.9万円
【グレード】ハイブリッドX(2WD)
【パワートレイン】ハイブリッド
【WLTC燃費】36.0km/L
【新車価格】204.4万円
ヤリスは、ガソリン車であればフィットと殆ど燃費が変わりません。一方、ハイブリッド車の廉価グレードで比べると、約6km/Lほど優れています。
ヤリスはスポーティでキビキビ走るため、RSを検討する人は比べてみると良いでしょう。ただしアクア以上に小さいので、広さ重視ならフィットがおすすめです。
▽ライバル(3)日産「ノート」
【グレード】X(2WD)
【パワートレイン】ハイブリッド
【WLTC燃費】28.4km/L
【新車価格】229.9万円
ノートとフィットは、比較的乗り心地や走りの印象が似ています。ただし静粛性はノートに軍配が上がります。
ボディサイズも似ていますが、ノートのほうが車内空間は広く、一方フィットは前方の視野が広いのが魅力です。また走行システムの違いから、高速道路ではフィットのほうが低燃費な傾向があります。装備なども含め、総合的に比較して合う方を選びましょう。
ホンダの他の車種とフィットの燃費を比較
フィットの燃費は、同じホンダ車のコンパクトミニバンやコンパクトSUVより優れています。ただし、フィットのガソリン車と軽自動車N-BOXの燃費を比べると、N-BOXのほうが低燃費です。
※それぞれ最も燃費の良いモデルを抽出
▽(1)N-BOX(軽自動車)
【グレード】ベースグレード(2WD)
【パワートレイン】ガソリン
【WLTC燃費】21.6km/L
【新車価格】164.9万円
N-BOXはフィットのガソリン車より低燃費で、車両価格も安いです。また、フィットより全高が高く、スライドドアも備えています。
ただし、全幅はフィットのほうが大きく、荷室容量はフィットの圧勝。また、フィットの場合はハイブリッド車を選択できます。乗車人数が4〜5人で荷物も多めに載せる場合、また普段から中長距離を走ることが多い場合はフィットをお勧めします。
▽(2)フリード(ミニバン)
【グレード】エアー(2WD)
【パワートレイン】ガソリン
【WLTC燃費】16.5km/L
【新車価格】250.8万円
【グレード】e:HEV エアー(2WD)
【パワートレイン】ハイブリッド
【WLTC燃費】25.6km/L
【新車価格】285.8万円
ガソリン車・ハイブリッド車ともにフィットより燃費の悪いフリードですが、運転のしやすさと広さを兼ね備えた一台です。乗車人数は5〜7人より選択でき、荷物も多く載せられます。
課題は車両価格の高さです。最近フルモデルチェンジしたこともあり、フィットに比べて車両価格が70〜80万円ほど高いです。車両価格を抑えたい場合は、中古で型落ちモデルのフリードを購入することも検討しましょう。
▽(3)ヴェゼル(SUV)
【グレード】G(2WD)
【パワートレイン】ガソリン
【WLTC燃費】17.0km/L
【新車価格】239.9万円
【グレード】e:HEV X(2WD)
【パワートレイン】ハイブリッド
【WLTC燃費】26.0km/L
【新車価格】288.9万円
ホンダのSUVでは最もコンパクトなヴェゼル。精悍ながらもシンプルな外観は誰でも乗りやすい雰囲気で、フィットより好みが分かれにくいです。
ただし、全高以外はフリード以上に大きいです。特に、全幅はグレード次第でフィットより100mmほど上回ります。運転が苦手な人は注意が必要です。また、燃費や車両価格といったコスト面も、フィットのほうが優れています。
▽(4)WR-V(SUV)
【グレード】X(2WD)
【パワートレイン】ガソリン
【WLTC燃費】1 16.4km/L
【新車価格】209.9万円
コスト重視で開発されたコンパクトSUVのWR-V。ヴェゼルよりわずかに大きいながらも、車両価格はヴェゼルより低価格。フィットとの価格差も、廉価グレード同士で比べれば30万円程度です。
燃費などはフィットのほうが優れていますが「新車で格好いいクルマに乗りたい」「気軽にSUVを楽しみたい」という人にお勧めします。
▽Q. 3代目(先代)フィットの燃費は?
3代目と4代目では、燃費の表記方法(JC08モードとWLTCモード)が異なります。そのため、正確な燃費の比較は困難です。
ただし、4代目の初期モデルと3代目最終モデルを比較すると、4代目のハイブリッド車は燃費が1km/Lほど向上しています。一方、ガソリン車は4代目のほうが僅かに悪いです。
フィットの魅力と課題は?
ここでは、フィットの購入を悩む方に向けて魅力と課題を分かりやすく解説します。
▽魅力(1)4種類から選べるデザイン
フィットには標準モデルの「ベーシック」の他に、以下のように4種類のモデルが存在します(特別仕様車を除く)。
・ホーム…ベーシックより少し快適性が向上
・クロスター…アウトドアにピッタリな外観
・RS…外観・走行性能ともにスポーティさを重視
・リュクス…上質さ重視、他より快適装備も充実
ホームの外観はベーシックと同様ですが、他のモデルには専用パーツが用いられ、見た目も異なります。そのためフィットの中でも、自分に合ったデザインを選べます。
▽魅力(2)広い車内空間
フィットは、コンパクトカーの中でトップレベルの広さを誇ります。後部座席の足元は、ある程度の広さが確保されています。
この広さの理由は、ホンダならではの「センタータンクレイアウト」が採用されていること。一般的に後部座席の床下や荷室の下に設置される燃料タンクを前席中央の床下に配置し、広い車内空間を確保しています。
【フィットの利用者口コミ】
我が家は4人家族です。子供が小さいので車が必要、でも駐車場の関係で大きい車は置けない。あとは絶対燃費のいい車が欲しい!という希望から探してたどり着いたのがフィットでした。コンパクトすぎるかな…と思って試乗したらびっくり!中は見た目と違ってとても広く感じました。(後略)(40代女性)
▽魅力(3)高い積載性
フィットの荷室容量は427Lを誇ります。たとえばアクアの荷室容量は278Lであり、かなり大きな差です。そのため、荷物を多く積んで走りたい人におすすめです。
▽バランス重視で特徴が薄いのが欠点か
フィットは乗り心地が良く、荷室容量も大きいので長距離運転にも適しています。ただし、燃費性能はトヨタ車より劣り、走行をモーターのみで行う日産ノートほど静粛性がありません。
このように考えると、他のコンパクトカーと比べてユニークな特徴が少ない点が、フィットの弱点かもしれません。ただし、そのバランスの良さを評価する声も多いです。
【フィットの利用者口コミ】
コンパクトカーながらもとてもバランスの取れた、良い車だと思います。私が乗っているフィットのハイブリッドは燃費がかなり良いです。(中略)走りの性能もなかなか良い車です。アクセルを開けた時、排気量の割には心地よい加速を見せてくれるので、高速道路での走行も問題なくこなしてくれます。内装も安っぽいイメージはなく質感もなかなか良いですね(40代男性)
現行フィットでも中古をチェック!
フィットはガソリン車・ハイブリッド車ともに3代目と燃費性能が大きく変わりません。だからこそ、敢えて3代目のフィットを中古で購入するのも一つの手段です。
また、現行フィットもすでに発売から4年が経過しており、中古車が多く出回っています。現行モデル狙いでも、3年落ちの中古車などを検討してみると良いでしょう。
(まいどなニュース/norico)