映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』に出演する井上祐貴(C)2025 映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』製作委員会 ダンス&ボーカルグループ・FANTASTICSの八木勇征が主演を務める映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』が、21日に公開される。それに先立って、ハルヒ(井上祐貴)の新カットと木村真人監督からのコメントが8日、ORICON NEWSに到着した。
【場面写真】はかない表情を浮かべ…透明感あふれる井上祐貴
2024年3月31日をもって、放送作家業・脚本業からの引退を発表した鈴木おさむ氏が、「辞める前に、どうしてもこの作品を作りたかった」と語っていた念願の企画となる。19年の初演以降、何度も再演されている同名の朗読劇を最旬のキャスト陣で映画化した。
田舎の小さな村の少年たちは18歳になると、「この村で生まれた男の子は、人生で1度だけ魔法を使うことができる。ただし、20歳までの2年の間に使わなければならない」ということを伝えられる。村の大人の男たちが過去にどんなことに魔法を使ったのかは、自分たちが魔法を使うまでは知ることができない。主人公たち4人の男子高校生は「何に魔法を使うか」を考え始める。それはかけがえのない体験となり、感動のクライマックスを迎える。
ハルヒを演じる井上は『ウルトラマンタイガ』(19年/テレビ朝日系)でドラマ初主演を果たし、『どうする家康』(23年/NHK)や連続テレビ小説『虎に翼』(24年/NHK)に出演するなど、注目を集めている。着々とキャリアを積み上げている井上について、木村監督は「4人の中で、一番THE真面目。それが周りにも伝播して、現場はとてもいい空気感が出来上がっていました。高めあう感覚を一番引っ張ってくれていたと思っています」と井上の現場での立ち振る舞いに感謝した。
生まれつき身体が弱く病気がちだったハルヒは、友達と全力で走ることもままならない少年だった。アキト(八木)ら仲間に守られるように成長してきたハルヒは、周りの人への感謝や日常の大切さを誰よりも知る、心温かさと強さを持っている。
ハルヒの儚さや繊細さを表現するために、井上とたくさん話し合いを重ねた木村監督は「生活のすべてにおいて『まず最初に相手のことを考える人』を作り上げようと話しました。4人のシーンでは、自然と全員のことを見ていて些細な動きや変化にも気づき、言葉をかけてあげられる。『誰かのために』の一番の体現者がハルヒというのが井上さんとの共通認識でした」と回顧。ハルヒは魔法について知ったとき、父から「この魔法を使ったらどうなるのか?想像する。それが一番楽しいんだ」という言葉をかけてもらい、絶対に「誰かが幸せになるために」魔法を使うことを決心する。
声に含まれる息の量や、病気との向き合い方まで、台本にない部分をどんどん盛り込んで作り上げたハルヒ。井上が全身全霊で生きたハルヒの、かけがえのない選択も今作の見どころとなる。
連載第3弾では、ナツキを演じる櫻井海音に注目する。