写真 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2022年3月22日 記事は取材時の状況)
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もし自分の恋人がお金持ちだと知った場合、あなたは以前と同じように相手に接することができるでしょうか?
多くの人はパートナーが裕福であることを喜ぶでしょうし、むしろそれが普通の反応です。
しかし、なかには自分の欲に目がくらんで暴走してしまう人も。島野香織さん(仮名・34歳)が20代半ばに付き合っていた彼氏もまさにそんな人物だったといいます。
「もともと父親が会社を経営していることは伝えていましたが、自営業だと話していたから勝手に勘違いしたようです。でも、誰かからウチの実家のことを聞いたみたいで、ある時期から彼の様子がおかしくなったんです」
◆自分の分の食事代も払わなくなった彼氏
ちなみに彼女の父親は、数十名の社員を抱える建設会社の社長。自宅もほかの家よりも明らかに大きく、子供のころからクラスメイトより実家が少し裕福であることは自覚していたといいます。
「上を見たらキリがないですが、子供のころは年に1回は海外旅行を連れてってくれたし、地方でしたが学校も中学から私立。ただ、親の教育方針もあって欲しい物を何でも買い与えてくれたわけではなく、小遣いも平均レベル。そのため、高校時代はアルバイトもしていました。
けど、両親は昔からいろんな人からお金をタカられたりして苦労したのも知っていたため、実家が裕福なのは周りには極力言わないようにしていました」
問題の彼氏は会社主催の研修で知り合ったグループ企業の社員。同じ班になったことから仲良くなり、半年ほど友人として付き合った後に交際に発展したそうです。
それでは最初のうちは小さなケンカはあったものの、大きなトラブルなどはありませんでした。ところが、交際から5か月が過ぎたころから彼氏の様子が明らかにおかしくなったとか。どうやらこの時期に彼女が本当はお金持ちであることを知ったようです。
「それまでは食事に行っても基本的にはワリカン、ないし自分の分だけ払っていたのですが、『ゴメン、俺の分も出しといて』って私が2人分を払うことが急に増えたんです。普通なら次の食費は彼が全額払ったり、もしくは私が代わりに払った分を返すじゃないですか。けど、それも一切ないし、気がつけば私が毎回彼の分も払うのが当たり前になっていました」
◆10万円以上のオーダースーツをねだる彼
しかも、ほかにも以前から計画していた旅行の費用も「後で払うから」と言ったままスルーされたり、誕生日のプレゼントを何が欲しいかたずねると10万円以上するオーダースーツをリクエスト。さらにあれこれと理由をつけてお金を借りようとするなど完全にヒモのような状態になっていました。
「彼はこのころになると、『本当は金持ちなんだろ?このくらいいいじゃん』と完全に開き直っていました。本当はすぐにでも別れたかったけど、ちょっと粘着質というか何をしでかすかわからない感じもあったので別れをこちらから切り出すことができませんでした」
◆実家の資産状況ばかり聞いてくる彼の母
ちょうどこのころ、半ば強引に彼氏の実家に連れて行かれたそうですが、彼氏の母親から資産状況をたずねる質問を繰り返し聞かれ、これには香織さんもア然。
あげくの果てには、「なんなら婿養子に貰ってくれてもいいから」となぜか上から目線で言われたそうです。
「このときの彼とお義母さんの目は$マークに見えて、それが本当にイヤでこの人たちと家族になるのは絶対無理だと思いました。それで別れることを決意しました」
ただし、簡単に別れるのは難しいと判断した彼女は一計を案じます。それは実家の会社が経営危機におちいっているというデマを彼氏に伝え、向こうから別れを切り出させるというものでした。
「わざと思い詰めた顔をして『お父さんの会社、ヤバいみたいなの』と言った瞬間、彼の顔色が代わったのを見逃しませんでした。
案の定、それからしばらくして彼のほうから別れをしてきたんです。あのときは心の中でヨシッ!ってガッツポーズをしましたね(笑)」
◆お金は人を狂わせる?
それからしばらくして彼女は転職。住んでいたマンションも引き払い、電話番号やアドレスなども変えて連絡を絶ち、一切向こうから連絡が取れない状態にしたといいます。
「実際に後でひどい目に遭うことはなかったですけど、何かあってからだと取り返しがつかないじゃないですか。それに転職も考えていたし、ちょうどいいかなって」
その後、彼女は29歳のときに結婚。相手は幼なじみだったので実家のことを隠す必要もなく、「そこはすごくラクでした」と彼女。
「あの彼も最初は普通に優しい人だったのに。それがあんな風に変わっちゃうわけだし、お金の怖さを身をもって知りました」
そうだとしても恋人がお金持ちだと知った途端にタカろうとするなんて言語道断。仮に自分が裕福ではなかったとしてもこんな男性は絶対に勘弁したいものです。
<文/トシタカマサ イラスト/カツオ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。