Skype死して履歴を残す――まだ間に合うチャット記録ダウンロード【道越一郎のカットエッジ】

1

2025年05月11日 18:30  BCN+R

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

BCN+R

5月5日でサービス終了したSkype。マイクロソフトは同社のTeamsへの移行を呼び掛けている
 チャットサービスの草分け的存在、Skypeのサービスが5月5日で終了した。2004年のサービス開始から20年あまり。テキストや音声、映像を使ったチャットサービスとして愛用されてきた。11年にマイクロソフト(MS)が買収。以降、同社のサービスとして継続してきた。自社が展開する類似サービスTeamsに収れんさせるためだろう。ユーザーをTeamsに巻き取る体制が整ったことで、Skypeを終息させた。

その他の画像はこちら



 Skypeユーザーの中には、海外との音声・ビデオ通話などで活用していた人も多いだろう。私も海外支社との連絡に大いに使わせてもらった。なにより無料というのがありがたかった。13年ごろ、出張先の上海のホテルで東京にいるシステム担当者とつないだのが、Skypeで初のビデオチャット体験だった。業務で使うサービスとして、問題がないかをテストするためだ。早朝の起き抜けで、首元のだらんと伸びたTシャツ姿で通話したのを、今でも鮮明に覚えている。海外出張時の電話取材でもよく利用した。

 さて、Skypeの履歴だ。実はまだ、これまでのチャット記録がサーバー上にちゃんと残されている。25年中なら、MSのSkypeサイトで「ファイルとチャット履歴のエクスポート」というページからダウンロードできる。26年1月には削除されることになっているので、もし必要なら、忘れないうちにやっておいたほうがいいだろう。会話とファイルのどちらか、あるいは両方を選択し、一旦「要求を送信」。ファイル作成を依頼する。データ量にもよるが、しばらくすると当該ページにダウンロードボタンが現れ、ダウンロードできるようになる。

 サーバー上に残っているファイルを全部吐き出すため、GB単位のファイルになることも珍しくない。準備完了まで数時間かかるのは覚悟しておいたほうがいいだろう。近年は、主にテキストチャットと音声通話用のツールとしてSkypeを活用していた。まあ、日々消費するメッセージの蓄積なので、別に消えても構わなかったのだが、せっかくなのでダウンロードして取っておくことにした。およそ9年分のチャット履歴が、画像を含め2.13GB。テキストデータだけでも35MBもあった。どんなツールで扱うにも、かなり大変なデータ量だ。ダウンロードの準備ができるまで3時間ほどかかった。

 履歴は圧縮ファイルのtarファイルで提供される。Windowsユーザーにはあまりなじみがないかもしれないが、UNIXではよく使われている圧縮形式だ。Windows11ならZIPファイルなどと同様に普通に解凍できる。圧縮ファイルには、jsonというJavaScriptで使われるテキストファイルが入っている。文字の会話部分はここに記録されている。画像などはmediaフォルダにまとめられている。こうしたバックアップファイルがあるため、Skypeの履歴はTeamsに引き継げるわけだ。過去にSkypeを使ったことがあるなら、ダウンロードを試してみても面白いだろう。なお、Teamsに移行する前なら、前述の「ファイルとチャット履歴のエクスポート」ページで履歴を全部削除することもできる。

 履歴の閲覧には、「skype-parser」というツールが使える。Skypeサイトからダウンロード可能だ。しかし、様々なタグが表示された状態で読みにくいうえ、画像は表示されない。なんとか文字が閲覧できる程度だ。添付画像付きでチャット形式を復元できるツールも複数あるようだ。しかし、自分の環境では、残念ながら画像付きでの履歴閲覧はできていない。

 実は、2月28日に突然Skype終了が発表され、「移住先」を探すのに苦労した。一旦はMSの仰せの通り、Teamsを使ってみたがイマイチだった。これまでのSkypeのログが自動的に引き継がれたのは素晴らしいが、Teams自体の使い勝手が悪かった。Androidスマートフォン(スマホ)で使用していると、突然テキスト入力を受け付けなくなるバグがあったり、iPhoneで画像が表示できないトラブルが発生したりしたからだ。iPhoneのトラブルは受信した画像が、文字で「画像」と表示されるのみで画像そのものが表示されないというもの。何らかの許諾設定がらみだとは思ったのだが、Webで収集した情報をもとに、いろいろやってみたものの、何をどう設定しても画像が出ない問題は解決できなかった。結局Teamsはあきらめ、他の移住先を探すことにした。

 条件は「テキスト、音声、動画が扱えること」「リアルタイムの通話ができること」「無料であること」「複数のスマホやタブレット、PCで利用できること」「セキュリティーがしっかりしていること」の5つ。日本ならLINEという選択肢が挙がるが、マルチデバイス対応とセキュリティーでひっかかる。いろいろ試した結果、結局Telegramに行きついた。さすがに世界で5本の指に入るチャットツール。使い勝手はよく、マルチデバイス対応もほぼ完璧だった。Skypeに似た使い勝手の移住先で困っているなら、試してみる価値は十分あるだろう。(BCN・道越一郎)

このニュースに関するつぶやき

  • 条件はSkype同様有料でいいからアプリから固定も含めて電話がかけられること。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングIT・インターネット

前日のランキングへ

ニュース設定