2024/25年フォーミュラE第8戦東京E-Prixで優勝したストフェル・バンドーン(マセラティMSGレーシング) 5月17日(土)、東京・有明の東京ビッグサイト周辺にて2024/25年フォーミュラE第8戦『東京E-Prix』の決勝が行われ、荒れた展開を味方につけたストフェル・バンドーン(マセラティMSGレーシング)が14番手から早めのピットストップ後の赤旗で逆転勝利を飾った。
朝から雨が降るなかスタートした土曜日の第8戦。予選は悪天候を理由にキャンセルとなり、午前中のフリープラクティス2(FP2)のタイム結果をもとにスタートグリッドが決定された。
電動フォーミュラを使うフォーミュラEのレースでは、特定のコーナーのアウト側の規定エリアを通過して起動する高出力モードの『アタックモード』が備わっており、規定によってレース中の2度の使用が義務付けられている。
さらに第8戦では、今季より新導入された『ピットブースト』も義務化。各ドライバーはレース中の決められた周回数の範囲内でマシンをピットへ戻し、600wの急速充電を30秒間行う必要がある。
こうしたギミックの活用がカギを握る第8戦のポールポジションは、地元ニッサン・フォーミュラEチームのオリバー・ローランド。2番手にはエドアルド・モルタラ(マヒンドラ・レーシング)がつけた。
予選後も雨は降り続き、15時05分開始予定となっていた決勝は10分ディレイとなる。まずは15時15分に、セーフティカー(SC)の先導で周回がスタート。そして4周が経過したタイミングでSCは隊列を離れ、スタンディングスタートが切られた。
まずは蹴り出しの良いローランドがホールショットを決め、モルタラ、テイラー・バーナード(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)が続く。序盤、ハイペースのローランドが徐々にギャップを築き始めたなか、中団のマキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)がマシントラブルで停止し、14周目に赤旗が掲示された。
この赤旗までにピットブーストを済ませていたのはストフェル・バンドーン(マセラティMSGレーシング)のみ。赤旗中断によってピットロスを取り戻すこととなり、ビッグチャンスが舞い込んだ。
レースは10分間ほどの中断後に再開され、ふたたびスタンディングスタート。ローランドが首位を守り、2番手にモルタラ、3番手にはセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)がつける。
ここからは各ドライバー、アタックモードの義務消化を進めていき、4番手以下はピットブーストの動きも影響して順位が入り乱れる。ただ、トップ3はアタックモードを使用し合いながらも均衡状態が続く。
その後はアクシデント等もなくレースは進行し、上位のローランドらは残り15周となるタイミングで軒並みピットへ。ピットブーストを終えてコースへ戻ると、バンドーンが首位へ浮上した。
2番手はローランド、すぐ背後にはバーナードと、ニッサンのパワートレインを搭載する2台が続いたが、展開を味方につけたバンドーンは20秒以上先。残る周回数でプッシュし続けたローランドは、最終的に8.140秒までギャップを縮めたが追いつくことは叶わなかった。
終盤には、SCランに基づいた3周のアディショナルラップが加わり、計38周となった第8戦は、荒れたレース展開を味方につけたバンドーンが今季初優勝。これでマセラティは、2024年大会のマキシミリアン・ギュンターの勝利から続く東京大会連勝を飾った。2位はローランド、3位はバーナードという表彰台となった。
明日18日(日)の第9戦は、午前のFP3からセッションがスタート。その後予選、決勝が順に行われる。晴れ予報の第9戦は、どんなレースが展開されるだろうか
■2024/25年フォーミュラE第8戦東京E-Prix 順位結果
Pos./No./Driver/Team/Laps / Gap
1/2/S.バンドーン/マセラティMSGレーシング/38Laps
2/23/O.ローランド/ニッサン・フォーミュラEチーム/+8.140
3/5/T.バーナード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/+8.695
4/16/S.ブエミ/エンビジョン・レーシング/+9.047
5/33/D.ティクトゥム/クプラ・キロ/+14.499
6/48/E.モルタラ/マヒンドラ・レーシング/+15.974
7/13/A.F.ダ・コスタ/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+19.035
8/21/N.デ・フリース/マヒンドラ・レーシング/+20.781
9/25/J-E.ベルニュ/DSペンスキー/+22.529
10/4/R.フラインス/エンビジョン・レーシング/+23.958
11/37/N.キャシディ/ジャガーTCSレーシング/+25.039
12/51/N.ミューラー/アンドレッティ・フォーミュラE/+29.794
13/1/P.ヴェアライン/タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム/+31.111
14/8/S.バード/ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム/+40.763
15/17/N.ナト/ニッサン・フォーミュラEチーム/+42.345
16/22/Z.マローニ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/+43.600
17/11/L.ディ・グラッシ/ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム/+46.468
18/3/D.ベックマン/クプラ・キロ/+51.851
19/55/J.ヒューズ/マセラティMSGレーシング/+1Lap
NR/9/M.エバンス/ジャガーTCSレーシング/NR
NR/7/M.ギュンター/DSペンスキー/NR
DQ/27/J.デニス/アンドレッティ・フォーミュラE/NR
※リザルトは編集部集計
[オートスポーツweb 2025年05月17日]