横浜地裁=横浜市中区 出向先のトヨタ子会社で上司から「無能だ」「血みどろで病院行き」などと暴言を吐かれ、うつ病を発症したとして、男性社員(33)=休職中=が同社などを相手取り、損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こしていたことが21日、分かった。東京都内で男性と代理人弁護士が記者会見し、明らかにした。
男性はトヨタモビリティ東京(東京都港区)の社員で、トヨタユーゼック(千葉市)に出向して中古車のオークション会場で勤務していた。
2020年4月ごろから、50代の上司に「お前は無能だ」「俺が怒ったら、お前なんか血みどろで病院行き」と暴言を吐かれたという。粘着テープを投げ付けられたこともあり、会社に相談したが対応は取られなかったとしている。
21年1月にうつ病と診断され、横浜南労働基準監督署は労災と認定。トヨタモビリティ東京、トヨタユーゼック両社が責任を否定したため、男性は24年4月、2社に損害賠償を求めて提訴した。訴訟で会社側が、一部の暴言は「パワハラに該当しない」と主張したことから公表に踏み切ったという。
男性は「私のような被害者を出さないよう、パワハラに毅然(きぜん)とNOと言う会社になってほしい」と語った。
トヨタモビリティ東京の話 事実について確認中。