
「ゾンビたばこ」などと呼ばれる指定薬物のエトミデートを使用し、医薬品医療機器法違反の罪に問われた元広島の羽月隆太郎被告(26)の初公判が15日、広島市内の広島地裁で開かれた。即日結審し、地裁は拘禁刑1年、執行猶予3年(求刑拘禁刑1年)の判決を言い渡した。同被告は法廷で「周囲にも吸っているカープの選手がいた」と証言。これを受け、鈴木清明球団本部長(72)は全選手を再調査する考えを示した。
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羽月被告はこの日、広島地裁での初公判で起訴内容を認めたが、注目を集めたのは他の広島選手も違法な「ゾンビたばこ」を吸っていたという証言だった。
被告人質問の中で、違法性や選手生命への影響について認識していたとした上で、「周囲にも吸っているカープの選手がいた」と説明。「甘い考えがこういうことになってしまって、自分自身で正しい判断をするべきだったと反省している」と述べた。
具体的な選手名は挙げなかったが、当然、球団としては看過できない。鈴木球団本部長は1軍遠征先の甲子園球場で取材に応じ、「そういう証言が出たので再調査します。聞き取り調査をします。全選手です」とコメントした。1月に羽月被告が逮捕された後、全選手に注意喚起を行い、使用したことがあれば名乗り出るように呼びかけた際、申告した選手はいなかったという。
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1軍はこの日から甲子園で阪神3連戦。ファームも16日、17日と鳥取・米子で試合がある。「来週にかかるかもしれないです。遠征に出ているので」。日程的に一斉調査は難しい状況だが、あらためて育成選手を含めた全選手に聞き取り調査を行う考えを明かした。
羽月被告は昨年12月16日ごろ、医療以外の用途で若干量を自宅で使い、今年1月に逮捕された。その後、起訴され、2月24日に契約解除。翌25日に自由契約選手として公示された。球団は発覚後に全選手の聞き取りをしたが、今回の証言を受け、再調査に乗り出す。
公判で、井上寛基裁判官は判決理由で「よく眠れるからという理由で安易に使用し、違法性を知ってからも1日に複数回使用するなど、指定薬物に対する親和性が見られる」と指摘。一方で社会的制裁を受け、反省の態度が見られるとして執行猶予を付けた。検察側によると、被告は不眠で悩んでおり、昨年春ごろに知人の紹介で使い始め、これまでに100万円分近く買っていたという。
ただ、判決が出たとはいえ、球界の「ゾンビたばこ問題」が解決したわけではない。「吸っている選手がいた」−。法廷での発言で、広島球団が対応を迫られることになった。
◆羽月隆太郎容疑者これまでの経緯
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◆25年12月16日 広島県内で110番を受けて警察官が向かった先に通報者と羽月被告がおり、任意同行した尿検査でエトミデートの陽性反応が出た。
◆26年1月27日 指定薬物エトミデートを摂取したとして、医薬品医療機器法違反(指定薬物の使用)の疑いで広島県警に逮捕される。同日午後に広島中央警察署から身柄が移送。
◆同1月28日 所属する広島が活動停止処分を発表。関連球団公式グッズも販売停止。
◆同2月17日 広島地方検察庁に薬機法違反の罪で起訴される。
◆同2月18日 保釈が認められ、保釈金300万円を即日納付し、勾留先の広島県警察本部留置場を出る。
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◆同2月24日 起訴を受けて球団から契約解除される。翌25日付で自由契約選手として公示。
◆同5月15日 広島地裁で行われた初公判で起訴事実を認めて即日結審し、拘禁刑1年、執行猶予3年の判決が言い渡された。
◆羽月隆太郎(はつき・りゅうたろう)2000年(平12)4月19日生まれ、宮崎県出身。神村学園では1年時から二塁手レギュラー。2年夏は甲子園に出場し16強入り。18年ドラフト7位で広島入団。20年8月7日阪神戦で初出場。俊足が武器で、23年から3年連続2桁盗塁。昨季はリーグ5位タイの17盗塁。168センチ、70キロ。右投げ左打ち。
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