
ロジクールは5月21日、自社のゲーミングブランド「ロジクールG」に属する有線ゲーミングキーボード「G512X」シリーズを発表した。発売は6月11日で、75%タイプの「G512 X 75」と98%タイプの「G512 X 98」という構成だ。
いずれもブラックとホワイトのカラーバリエーションがあり、キースイッチ(リニア/タクタイル)の選択肢や保証期間の異なるモデルが用意される。また、専用のパームレスト「Palmrest 75」(G512X-75-PR)と「Palmrest 98」(G512X-98-PR)が、7月16日に発売される。
同社のオンラインストア価格はG512 X 75が3万2780円、Palmrest 75が6490円、G512 X 98が3万6080円、Palmrest 98が7480円となっている。
製品ラインアップ
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●高度なカスタマイズ性を備えたゲーミングキーボード
発表会で登壇したLogitech International プロダクトマーケティング責任者 ガブリエル・ワイエルさんは、初めて触ったゲーム機が「Atari 600XL」だという。
「レトロデザインのゲームに感じたワクワク感と、インダストリアル建築などから着想を得たデザイン、そしてカスタマイズ性を高めてほしいというユーザーの声を取り入れた革新的なキーボードがG512Xシリーズだ」と紹介した。
続いて、G512Xシリーズの設計について解説したのは、ゲーミングキーボード開発プログラム・マネージャー 有本哲也さんだ。
本製品のカスタマイズ性を高めるために「5つのNEW、つまり新機能を取り入れた」と有本さんは語る。
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●G512Xのユニークさを示す“5つのNEW”
1つ目は「デュアルスワップ」への対応だ。搭載するキーのうち、主に左手で操作する41のキーにTMR(Tunnel Magnetoresistance)アナログセンサーを採用し、アナログスイッチとメカニカルスイッチを自由に切り替えられる。
「TMRセンサーは、高感度/高解像度/高精密性/低消費電力と長所が多く、ジョイスティックなどでの採用例も多い。キーボードで使えるように設計し、今回の導入につながった」(有本さん)
「アナログスイッチを採用したキーボードでも、メカニカルスイッチ採用のキーボードでも、同じ系統のスイッチの交換をサポートするキーボードは多いが、アナログとメカニカルの交換はできない。それを実現したのが、G512Xシリーズだ」と有本さんはG512Xシリーズの優位性に触れた。
2つ目のNEWは、「SAPPリング」の標準添付だ。SAPP(Secondary Actuation Pressure Point)リングは薄いシリコンラバーのリングで、キーキャップとキースイッチの間にはめて使う。これにより、設定した2段階のアクチュエーションポイントを“感触”として体感でき、「1つ目のアクチュエーションポイントで歩くという動作を、さらにギュッと押し込むことで2つ目のアクチュエーションポイントであるジャンプする、といった操作が感覚的に分かりやすくなる」と解説した。
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3つ目のNEWは、キーボード右上部分に「デュアルダイヤル」を搭載したことだ。2基ともプログラマブルで、24段階ラチェット、双方向操作、シングル/ダブルクリックに対応しており、ボリュームコントロールとライティングコントロールなどを割り当てることでゲーム中でも直感的に素早く操作できる。
4つ目は、キーボード手前側に設置した「LIGHT BAR」だ。ここには複数(75%モデルで33基)のLEDを搭載しており、専用のカスタマイズアプリ「G HUB」で色や光り方を細かくカスタマイズできる。
有本さんは「プリセットだけでなく、オリジナルの設定も可能だ。プリセットのアニメーション効果の中には、以前のTVドラマ『ナイトライダー』のナイト2000が備えていたスキャナーライトのような光らせ方をするものもあり、刺さる人には刺さる」とうれしそうに語った。
5つ目は、LIGHT BARをさらに楽しむためのオプション品であるパームレストの存在だ。これはマットUVコーティングを施した硬度の高いアクリルを採用しており、G512Xの手前側に密着させることにより、LIGHT BARの光を取り込んで拡散して、最大限の効果を得られるようになっている。
「キーボードフット(後述するチルトスタンド)を取り付けた8度の角度でも、取り付けていない4度の角度でも同じように光を取り込めるように苦労して設計した」と有本さんは明かす。
「75%用と98%用で、それぞれのモデルにマッチするよう設計したことも、開発のハイライトとしてお伝えしたい」と解説した。
●ロジクールGで初採用となるガスケットマウント
G512Xは、ロジクールGシリーズのキーボードとして初めてガスケットマウントを採用したモデルでもある。「タイピングフィールが非常に良く、ユーザーテストでも高評価を得ている」と有本さんは語った。
同社では、2月に発売された「Alto Keys K98M」でガスケットマウントを初めて導入したが、これがゲーミング用にも適用された形だ。
カスタマイズ性の高さと同程度に強調されていたのは、G512Xシリーズが「TRUE 8Kポーリングレート」に対応しているという点であった。有本さんは、「TRUEをうたっているのは、入力から出力までの全ての工程において8Kポーリングレートで動作するからだ」という。
「キーボード内蔵のCPUが、キーの入力有無を0.125ミリ秒(毎秒8000回)の間隔でスキャン/処理し、同等の速度でUSBケーブルを介してPCへ伝達する。一般的な8K対応キーボードでは、USBケーブルを介したPCへのデータ転送部分のみ8Kで行われているが、G512Xシリーズでは全て8Kで行っているので、TRUE 8Kと呼んでいる」(有本さん)
変更可能なアナログキースイッチについては、0.1mm〜4.0mmの間で設定可能なアクチュエーションポイント、ラピッドトリガーへの対応、1キーに複数のコマンドを割り当てられるMULTIPOINT ACTION、SOCD(Simultaneous Opposing Cardinal Directions)に対応するKEY PRIORITYの設定機能など、従来モデルが対応している機能を継承したとのことだ。
キーボード背面には、ゲーム中に誤ってWindowsキーを押しても反応しないようにする「ゲームモードボタン」、どのキーがアナログスイッチに交換されたかを目視できる「スキャンボタン」、9基のアナログスイッチ収納ボックス、5個のSAPPリングを収納可能なスロットが用意されている。2個のキーボードフットは、それぞれキーキャッププラーとキースイッチプラーの役割も持つ。
●カスタマイズしやすくなったG HUB
マーケティングスペシャリスト ザック・バルカツさんは、G512XシリーズをG HUBでどのようにカスタマイズできるかのデモンストレーションを行った。
デモンストレーションでは、これまでキーのバックライトを変える際に、1キーずつ設定する煩雑さがあったが、新しいG HUBではドラッグして変えたい範囲のキーを選べるようになったことが示された。
ロジクール 執行役員 マーケティング本部 室井崇裕さんは、「G512Xの登場により、マウスやヘッドセットを含むG5シリーズのストーリーが完結する」と語った。
「G5シリーズは、次世代のカスタマイゼーションを可能にするシリーズだ。パフォーマンスに優れているだけでなく、ゲームプレイの際に気持ちをアゲたい、デスクの周囲を自慢したいというニーズにもかなうため、当社のProシリーズとは違う層に刺さるのではないかと考えている」(室井さん)
●“推し活”にマッチしたキーボード
高いカスタマイズ性を持つG512Xシリーズの国内販売を控え、同社ではG5シリーズのアンバサダーを5人起用した。
プロeスポーツチーム DetonatioN FocusMeのぶゅりる選手、Yutapon選手、ストリーマーのKOHALさん、クリエイターの凪/Nagi-ゲーム実況さんとシラナミチャンネルさんだ。
トークセッションでは、G512Xの使い勝手の良さだけでなく、カスタマイズ性の高さについても触れられた。
凪/Nagi-ゲーム実況さんは「『原神』や『鳴潮』といったゲームでは、好きなキャラクターがいて、キャラクターカラーが存在する。ゲームを始める前に手軽に推しカラーに変更できるのが良い」、シラナミチャンネルさんは「ゲーミングデバイスにありがちな原色だけでなく、シックなカラーのライティングが行えるので、シックなインテリアでそろえているデスクにマッチさせられる」とライティングのカスタマイズ性の高さを高く評価していた。
Yutapon選手は「(『リーグ・オブ・レジェンド』のような5対5のチーム戦のゲームである)MOBAだけでなく、FPSもプレイしており、それぞれラピッドトリガーを使いたいキーが異なる。G512Xはアナログスイッチとメカニカルスイッチの交換が容易なので、ゲームごとの切り替えも億劫に感じずに済む。それも踏まえると、ゲームプレイをする万人に向いているキーボードだと思う」と感想を語っていた。
キーの操作性について、ぶゅりる選手は「『Fortnite』で建築する際にキーを連打することが多いので、8Kポーリングレートの低遅延性に助けられた」、KOHALさんは「タルコフ(『Escape from Tarkov』)では、めちゃめちゃ動作が多く、そのため利用するキーも多い。例えば出血を止める操作が必要だが、それが重度なのか軽度なのかで操作が変わってくる。それを1キーで2段階操作できるのが、非常に助かった」と語っていた。
●ファーストインプレッション――カスタマイズの容易さに驚き
会場には、75%と98%サイズのブラックとホワイトモデルがいくつか展示され、試遊できた。
ライティングの細かなカスタマイズはG HUBで行うが、FnキーとF5キーからF8キーを組み合わせて、キーボード単体でも色やアニメーション、効果、輝度などを変えられる。オプション品のパームレストを合わせると、ライティング効果をよりはっきりと感じられるのが印象的だった。
しかしG HUBを使えば、キー単位で色や効果を変えられる。デモンストレーションでも披露されたが、範囲をドラッグするだけで選べるのはかなり楽だ。キーキャップの色を変えずに、ライティングでドット絵を描けるのではないかと思ったほどだ。
●スイッチや工具も収納できるユニークな1台
キーボードの右上部分に並ぶデュアルダイヤルは回しやすく、押し込みやすいと感じた。とはいえ、キーボードをたたく程度の力ではクリックできないので、誤操作することはなさそうだ。
個人的に最も刺さったのは、キーキャップ/キースイッチプラー、9基のアナログスイッチ(または取り外したメカニカルスイッチ)、SAPPリングといった小物類を、全てキーボード本体に収納、または着脱できるようにしているというところだ。
いざ交換しようと思っても、近くにプラーやキースイッチがないといった場合、面倒になって交換するのを諦めてしまいがちだし、何よりそのような状態ではどれかを紛失してしまっている(ことが筆者の場合にはたびたびある)。
しかし、このようにこまごまとしたものを本体に収納できるのであれば、そういった事態は防げそうだ。キースイッチホルダーにカバーがあるのも良い。
キーキャップを取り外すときには、キャップの左右をつかむようにプラーを差し込む。カチッという音がするので、ホールドしたことを判別できる。
キースイッチを取り外すときには、上下をつかむようにキースイッチプラーを差し込む。こちらもカチッという音がしてロックされるので、失敗することはほぼないだろう。なお、引き抜くときにはキャップ/スイッチともに垂直に持ち上げるようにしよう。
アナログスイッチに換装したら、スキャンボタンを押して、交換場所の確認をしよう。スキャン直後は、換装したキーのみ光るが、数秒で他のキーも光る。
メカニカルからアナログスイッチに切り替えたことで、多少の違いはあるもののキー入力時に大きな違和感を覚えることはなかった。
G HUBアプリの使い勝手の良さ、部品が手元にそろっていて使いやすいツールもありキースイッチの換装がしやすいことなど、高度なカスタマイズを容易に行えるのが印象的なG512Xシリーズは、ゲーミングキーボードとして使い倒すだけでなく、頻繁にカスタマイズしたくなる、そんな楽しみのあるキーボードだと感じた。
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