厚生年金に加入して働きながら、老齢年金はもらえる? 年金の受け取りにどのような影響があるの?

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2025年06月11日 18:31  All About

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老後生活の収入の柱になる「老齢年金」ですが、年金制度に関することは難しい用語も多く、ますます不安になってしまう人もいるのでは? 年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、厚生年金に加入して働きながら、年金をもらえるのかについて。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、厚生年金に加入して働きながら、年金をもらえるのかについてです。

Q:厚生年金に加入して働きながら、老齢年金をもらうことはできるでしょうか。またその場合、年金の受け取りにどのような影響があるのでしょうか

「来年65歳になります。現在、時給で働く契約社員で老後が心配です。ボーナス、退職金はでません。ギリギリなので貯金はできません。できる限り働きたいのですが、厚生年金に加入して厚生年金保険料を払いながら、老齢年金をもらうことはできるでしょうか。またその場合、年金の受け取りにどのような影響がでてしまうのでしょうか」(匿名さん)

A:厚生年金に加入し、働きながら老齢年金をもらえます。ただし、在職老齢年金制度には注意が必要です

相談者は、老後の生活が心配とのこと。経済的に豊かな老後生活をするには、相談者が心配しているように、より多くの年金収入があると安心です。将来、より多くの年金をもらうためには、より長く厚生年金に加入しながら働くことが方法の1つです。

相談者が心配している働きながらの年金受け取りについてですが、厚生年金保険料を払いながらでも、老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)を受け取れます。

ただ、基本月額(年額の老齢厚生年金の報酬比例部分を12で割ったもののこと)と、月収など(総報酬月額相当額)に応じて、老齢厚生年金の一部または全額が支給停止になる場合があります。これを在職老齢年金制度と言います。

月収(総報酬月額相当額)とは、(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12となります。

もし相談者の老齢厚生年金の月額と月収などの合計が51万円(令和7年度)以下の場合でしたら、老齢厚生年金は支給停止されることはなく、全額支給されます。老齢基礎年金は、在職老齢年金制度の対象にならないので全額もらえます。

なお65歳以降も厚生年金に加入して厚生年金保険料を納めると、年に1回、10月に、それまでに納めた厚生年金保険料の分が老齢厚生年金額に反映されて支給されることになります。

相談者は契約社員とのこと。いつまで働き続けられるのか、今のうちから確認しておくといいと思います。より長い期間働いて収入を得ることも重要ですが、同時に、生活費のダウンサイジングも工夫してみてください。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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