シビック・タイプR CNF-R、S耐第4戦もてぎで熱対策と約10kgの軽量化。三井優介の起用で”新たな鍵”が生まれるか

2

2024年09月06日 17:20  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2024スーパー耐久第4戦もてぎ CIVIC TYPE R CNF-R(Team HRC)
 9月7日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されるENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第4戦『もてぎスーパー耐久』。今回、STMOが認めた開発車両が参加できるST-Qクラスは3台が参戦するが、Team HRCがカーボンニュートラル燃料を使用して走らせる271号車シビック・タイプR CNF-Rは、車両にアップデートを施して臨む。

 シビック・タイプR CNF-Rは、2023年のスーパー耐久第2戦富士SUPER TEC 24時間レースでデビュー。ST-Qクラスを活用し、シビック・タイプRをベースにカーボンニュートラル燃料に適合したレース用エンジン開発、参加型モータースポーツ向けのベース車両製作やパーツの研究開発を行うなど、さまざまな目的カーボンニュートラル燃料に対応するレースカーとして参戦している。2024年も参戦を継続させており、開幕戦SUGOと第2戦富士に出場してきたが、トラブルに見舞われる場面もあった。

 第3戦オートポリスをスキップし、第4戦もてぎで2戦ぶりに登場した271号車シビック・タイプR CNF-Rは、車両にアップデートを施してきた。外観からフロント周辺に違いが見て取れ、ボンネット上に移っていた“赤バッジ”がグリル内に戻り、さらにフロントリップ左右、ボンネット上の開口部にも違いがある。これらの改良は、HRCによれば猛暑下でのレースに対応するための熱対策の徹底があるという。ボディ前面、およびボンネット上とアンダーボディのエアインテーク/アウトレットを最適化し、各冷却装置やエンジンルーム内への冷却空気導入と排熱の効率化を図っている。また、レーシングカーとして使用しないパーツなどを外すことで、約10kgの軽量化を行った。

 開幕戦からこのシビック・タイプR CNF-Rをドライブしている大津弘樹は、冷却効率の上昇について、「フィーリングとして分かりづらいですね」というが、「これまでパワステのトラブルなどもあり、パワステの水温が上がらないようにしていましたが、すべて適正な温度で走れることは強いです。ずっと気にしている部分ではあったので、そこはほぼクリアになったと思います」と手ごたえを語った。

 また、軽量化については約10kgという数字ではあるが、事前のテストから“違い”を感じているという。「このクルマはFFですが、もてぎではトラクションをかけたいときに、(クルマの)向きをどれだけ変えられるかが大事なところになりますが、よりコース特性にも合ったセッティングになったと思います。10kgは大きいです」とパフォーマンスにも繋がっているという。このレースウイークでは細かなトラブルがあったものの、これらを解消しつつ、ワンデーで開催される9月7日に向け、さらなる速さを磨いていく。

■三井優介「“味”がかなり違う」と語るシビック・タイプRの相違
 そんなシビック・タイプR CNF-Rは、今回は新たなドライバーを起用することになった。大津、そしてモータージャーナリストである大ベテランの桂伸一を起用する一方、FIA-F4で活躍し、今季スーパーGT GT300クラスでUPGARAGE NSX GT3の第3ドライバーとして起用されている三井優介が乗り込むことになった。当初、スーパーフォーミュラ・ライツで活躍する荒尾創大がドライブ予定だったが、都合により三井に代わることになった。

 先輩の大津が「勉強熱心だと思います」と評する三井は、今季スーパー耐久ではST-2クラスで95号車 SPOON リジカラ CIVICをドライブしており、同じシビック・タイプRでも異なるクルマに乗っている。大津も「どんなクルマなのか気になっていました」というST-2車両との比較ができるという意味で、三井の参加はさらなる開発に向けた新たな“鍵”にもなるかもしれない。

「シビック・タイプRはどのクルマに乗っても走りやすいので、その“入り”は同じでした。ただ、“味”がかなり違います」というのは三井。「燃料が違うのでパワー感が異なりますね。またブレーキも違うメーカーなので止まり方も違いますし、それぞれコーナリングで求めている姿勢にも違いがあって、SPOONの方が硬めです。どちらも乗りやすいのですが、それぞれ良さがありますね」と2台のシビック・タイプRの違いを語った。

 また今回の参戦は、三井にとっても良い機会となりそう。これまでFIA-F4で活躍してきたとはいえ、今季はレースを戦う機会が少ない。しかも、HRCのワークスカラーをまとう車両での参戦だ。

「めちゃくちゃ嬉しいです。今季僕が置かれている立場もありますが、HRCからお仕事をいただくのは今までになかったことなので、今回お声がけいただきすごく嬉しかったですし、しっかり走らなければと思っています」と三井は意気込んだ。

「GT500、スーパーフォーミュラで活躍する大津選手と同じクルマに乗れて、データで比較できることは自身の成長に繋がると思っています」

 今回、彼の新鮮な意見も交わることで、Team HRCにとっても良いスパイスとなるかもしれない。若手育成にも取り組みつつ、今回さらにアップデートを施した271号車シビック・タイプR CNF-Rが、もてぎでどのような走りをみせるか注目したい。

このニュースに関するつぶやき

  • レース中はハンドルと右手をガムテープで巻いて走ってるんですね?
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定