![](https://news-image.mixi.net/article/262/262_20250209_11613673_001.jpg)
運転中かならずしなければいけないシートベルトは、車に乗る人を万が一の事故から守る大切な部品です。そのため、シートベルトが戻らない症状を放置することは車検にも通らず、事故が起きたときには乗員保護もままならず、とても危険です。
シートベルトが戻らないときの対処法や、故障している時の修理費用について現役の整備士が解説します。
シートベルトが戻らない、戻りが悪い原因
シートベルトが戻らない原因は主に4つ考えられます。それぞれ解説します。
・ゴミ噛みや汚れの付着
|
|
シートベルトが極端に汚れていたりベルトに何らかのゴミ(固形物)が付着していると、それが原因でベルトが戻らない、または戻りが悪くなることがあります。(例:飴が溶けてベルトに付着→固着してしまった)
シートベルトは常に清潔な状態を保つことが大切です。
・シートベルトがねじれている
使用過程において稀にシートベルトがねじれてしまうことがあります。
ねじれかけたところが、シートベルトガイドのスリット部分でつっかえてしまって、シートベルトの戻りが悪くなったり途中で止まってしまったりします。
|
|
・シートベルトの劣化、ほつれ
長い年数使用していると経年劣化でベルトが傷んできて、ベルト部分がほつれたり毛羽立ったりすることがあります。
基本的にシートベルトは耐久性に優れた素材が使用されているので、通常の使用においてそこまで劣化することはありません。
このほつれたり毛羽立った部分が、シートベルトの通るガイドのスリットや巻取り装置に引っ掛かってしまい、シートベルトが戻らない・戻りが悪い原因となることがあります。
・シートベルトの巻取り装置(リトラクター)の不具合
|
|
シートベルトのフロア側にある付け根の部分は、ベルトの巻取り装置が備わっています。
これをリトラクターと呼びます。
単純にシートベルトを巻き取る機能だけではなく、エアバックシステムに連動してベルトにテンションを与えたり、逆に緩めたりと複雑な機構を有しています。
使用過程において、この部品の内部に不具合が発生してしまいシートベルトが戻らなくなったり、戻りが悪くなることがあります。
シートベルトが戻らないときに自分で直す方法
シートベルトが戻らないとき、自分で直せるケースもあります。
シートベルトがねじれている場合には、ねじれを解消すれば復旧します。
シートベルトに汚れが付着していることが原因であれば、中性洗剤を使用してタオルできれいに拭き取ります。
また、リトラクターの不良などで戻りが悪くなっている場合には、シートベルトを出したり戻したりを小刻みに何度か繰り返していると、シュルシュルと戻っていくことがあります。
ご自身で直す・対処できることはこの程度です。
これらでシートベルトの不具合が解消しないときは、整備工場でプロの整備士に診てもらうようにしましょう。
【補足】シートベルトの故障は車検に通らない
シートベルトの故障は車検に通りません。
冒頭でも触れたように、シートベルトは乗員を保護するために非常に大切なものであり、重要保安部品のひとつです。
故障しているとこの条件を満たせないので車検に通りません。
シートベルトが戻らないときの修理費用
シートベルトが戻らないときに掛かる修理費用は4万円〜です。
部品代が3万円〜で、工賃は数千円〜1万円程度のケースが多いです。
シートベルトが戻らずに、自分で簡単に処置できないとなると、基本的にシートベルトを交換しなければいけません。
シートベルトはリトラクター、ベルトのみならず、万が一のときにベルトを瞬時に巻き取るプリテンショナー機能を作動させるための火薬など、そのほかにもシートベルトの持つさまざまな機能や仕組みがすべて一体化されています。
これらは非分解のため、修理することができません。
よって、シートベルトを交換するときはそれらすべてが一体となったものになるので、部品代が高額になります。
【整備士のまとめ】
シートベルトは滅多に壊れるものではありませんが、万が一壊れたときは走行中の安全に支障をきたすので早急な部品交換・処置が必要です。
また普段からほこりや汚れに気を遣い車内を清潔に使用することで、シートベルトが壊れるリスクをわずかですが低減することができます。
(まいどなニュース/norico)