いつもと違う今年の梅雨 梅雨入り早々に災害級大雨 梅雨の晴れ間は40℃に迫る酷暑

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2025年06月10日 17:08  日本気象協会

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日本気象協会

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今年(2025年)の梅雨は異例続き。統計史上初めて沖縄や奄美より先に、九州南部が全国で最初の梅雨入りに。統計史上最早タイで沖縄は梅雨明け。九州を中心に梅雨入り早々、梅雨末期のような災害級の大雨。この先、降る時は災害級の大雨、梅雨の晴れ間は40℃に迫る酷暑に警戒が必要です。

異例の梅雨入り・梅雨明け

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今日10日は、関東甲信と北陸で梅雨入りとなりましたが、今年の梅雨は異例続きとなっています。

今年2025年の梅雨入りは、5月16日に九州南部からスタート。沖縄や奄美より先に九州南部が全国で最初に梅雨入りとなるのは統計史上初めてのことです(速報値)。これは、夏の太平洋高気圧が強まり、梅雨前線が沖縄や奄美を飛び越えて、九州南部に停滞したためです。

九州南部では平年より2週間も早い梅雨入りとなりましたが、奄美と沖縄では平年より1週間以上遅くなりました。沖縄は平年より12日も遅い梅雨入りでしたが、6月8日に平年より13日も早く、統計史上最早タイで梅雨明けに。沖縄の梅雨の期間は17日間と、1963年の11日間に次いで2番目に短い梅雨となりました(速報値)。

沖縄の梅雨明けと入れ替わるように、6月8日は九州北部と四国で、9日は中国・近畿・東海で、そして今日10日は関東甲信と北陸で梅雨入りとなりました。

梅雨入り早々 災害級の大雨

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例年、梅雨は大きく4つに分けられます。
・沖縄の梅雨入り(5月)
・各地で梅雨入り(6月)シトシト降る
・梅雨の最盛期(6月後半)ザーザー降り
・猛暑と大雨が隣り合わせ(7月)

しかし、今年は違います。
昨日9日は梅雨前線に向かって湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発となり、鹿児島県(大隅地方)で今年初めて「線状降水帯」が発生。今日10日は九州北部に活発な雨雲がかかり続け、6時間降水量の日最大値は久留米市の耳納山(福岡)142.0ミリと6月1位の値を更新。48時間雨量の日最大値は指宿市(鹿児島)で435.0ミリと、わずか2日間で平年6月ひと月分の雨量の7割以上が一気に降りました。

九州では11日にかけて、雷を伴って激しい雨が降り、総雨量が更に増えるため土砂災害や川の増水・氾濫、アンダーパスなど低い土地の浸水に警戒が必要です。

今週末 再び大雨災害に警戒

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今週中頃はいったん雨は小康状態となりますが、今週末(14日土曜・15日日曜)は再び前線の活動が活発となる見込みです。原因のひとつが、10日12時現在、南シナ海に発生している熱帯低気圧です。今後24時間以内に、台風に発達する予想です。大陸に進む予想のため、直接日本に影響することはありませんが、熱帯育ちの非常に暖かく湿った空気が今週末〜週明けにかけて日本付近に流れ込み、前線の活動が活発となる見込みです。

梅雨の晴れ間は40℃に迫る酷暑

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梅雨の晴れ間となる時は、「危険な暑さ」に警戒が必要です。
目先、要注意なのが来週16日(月)と17日(火)、関東地方です。

梅雨の晴れ間となり、16日(月)は関東の6割で真夏日、17日(火)は、関東の8割で真夏日となり、内陸では35℃以上の猛暑日の所もあるでしょう。

原因は、夏の太平洋高気圧が強まり強い日差しが照り付ける事や、熱帯育ちの非常に暖かく湿った空気が西よりの山越えとなり、吹き降りる際に気温が上がるフェーン現象の影響などが考えられます。

今年の梅雨は「メリハリ型」。降る時は梅雨末期のような激しい雨が降り、梅雨の晴れ間となる時は真夏日続出・猛暑日のおそれもある極端な天候となりそうです。

来週の気温予想はまだ先のため、予想には幅がありますが、「梅雨の晴れ間の危険な暑さ」に備えて、日頃から対策を万全にしておきましょう。

このニュースに関するつぶやき

  • そう言えば昔、佐賀県の多久市では池になる年が多くてゴムボートを用意してる家が多かったな。この予報だと、また必要かもしれないな
    • イイネ!2
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