OPPOのスマホは全ラインアップにAI搭載へ クラウド活用で「価格の壁を打ち破る」、Googleとも緊密に連携

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2025年06月19日 22:40  ITmedia Mobile

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6月19日、OPPO(オウガ・ジャパン)が発表した、スマートフォン「OPPO Reno13 A」「OPPO Reno14 5G」、タブレット「OPPO Pad 3 Matte Display Edition」、完全ワイヤレスイヤフォン「OPPO Enco Buds3 Pro」の4モデル

 OPPO(オウガ・ジャパン)は6月19日、スマートフォン「OPPO Reno13 A」「OPPO Reno14 5G」、タブレット「OPPO Pad 3 Matte Display Edition」、そして完全ワイヤレスイヤフォン「OPPO Enco Buds3 Pro」の4モデルを発表した。


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 同日の発表会には、専務取締役 河野謙三氏と営業推進部 プロダクトマネージャー 中川裕也氏が登壇し、OPPOがAI技術を単なる機能としてではなく、ユーザーの日常生活を豊かにするツールとして位置付け、その普及に注力していく姿勢を強く示した。


●全ラインアップにAI機能を搭載していく――2025年末までに1億人にAI提供


 OPPOは今回、スマートフォンとタブレットに搭載したAI機能を「OPPO AI」と名付け、「全ての人のためのAI」の実現に焦点を当てた。河野氏は、「エントリーモデルからハイエンドモデルまで、全ラインアップにAI機能を搭載していく」と述べ、AIが一部の人だけのものではなく、「全ての人の毎日のパートナーになるべき」という理念を強調した。


 続けて、2025年末までに1億人へのAI提供を宣言し、2024年の5000万人からわずか1年で倍増となる野心的な目標を掲げた。これは単なる数字ではなく、「1億の物語」「1億の『Make Your Moment』への約束」であるという。新たに掲げたブランドスローガンには、「OPPOのカメラ性能やAI技術を通じて、ユーザーが今この瞬間を大切にし、毎日の生活を思いっきり楽しむことを応援する」というメッセージが込められている。OPPOのスマートフォン、ひいてはAIは、「ユーザーが自分らしさを見つけ、自由に表現できるようになる」ことを支援する役割を担うようだ。


●写真編集や文章作成をAIで支援 多機能さはReno14 5G>Reno13 A


 OPPOが6月19日に発表したスマートフォン2モデルとタブレットは、OPPO AIを搭載している。OPPO AIはクラウド型のAIシステムを採用しており、ハイエンドだけでなく幅広い端末で高精度なAI機能を搭載できるのが特徴だ。発表会で体験内容の一例として示されたのが、写真編集機能や文章作成サポートといった機能だ。


 写真編集機能としては、手ブレや素早い動きのペットの撮影でぶれた写真も、AIがぼけを除去して臨場感はそのままに、シャープな写真によみがえらせる「AIぼけ除去」が挙げられる。また、部屋や車の窓ガラス越しに撮影したときに写り込む室内の照明や光の反射を、AIが判別してきれいに除去する「AI反射除去」もある。さらに、拡大・トリミングして画質が粗くなっても、AI鮮明度強化機能でくっきりときれいに修復する「AI鮮明度強化」、そしてたった1枚の顔写真やポートレート写真から、豊富なテンプレートを使ってさまざまなイメージにアレンジできる「AI Portrait」などが紹介された。


 この他にも、例えば文章作成中やWebサイト閲覧中に、スマートサイドバーからAIツールボックスなどの便利機能を呼び出し、作業内容に合わせた機能が使える。文章作成中には要約や翻訳、メッセージへの返信時には文案の提案機能を利用できる。また、語学学習に最適な文章の読み上げ機能や、海外旅行での外国人とのコミュニケーションに便利な画面翻訳、音声翻訳も行える。


 中川氏は、「現時点(発表時点)でReno14 5GはReno13 AのAI機能を全て網羅している」と前置きし、その上で「プラスで数種類の画像編集機能などを搭載している」と明らかにした。


 つまり、現時点ではReno14 5Gの方が1つ上のモデルに相当し、Reno13 Aよりも多くのAI機能を搭載しているという。中川氏は「今後、全ての機種にAIを提供していく」とし、「アップデートなどを検討しており、Reno13 Aなどへも今後、Reno14 5Gで使える画像編集機能を盛り込むようなところも検討している」と明かした。


●AIで価格の壁を打破、実体験できるイベントも開催


 河野氏は、新しいRenoAシリーズがFindシリーズに匹敵するAI機能を搭載することで、「価格の壁を技術で打ち破る」というOPPOの姿勢を示した。スマートフォンだけでなく、タブレットのようなより大きなデバイスでもAIが新たな可能性を開花させ、文章翻訳、要約、分割画面での資料参照などを実行しやすいとした。


 より多くのユーザーにAIを体験してもらう取り組みも進めていく。日本のユーザーにOPPO AIの真の力を体験してもらうため、2025年初のリアルイベント「AIラボ」を8月11日から8月17日まで東京・原宿の商業施設「ハラカド」で開催する。これは、カタログやスペック表では分かりづらいAI体験の場を、OPPOとして分かりやすく伝えていくことの表れといえる。


●オンデバイス処理について、OPPOはどう考える?


 一方、OPPOが今回の発表会で繰り返し示したのは、AIの処理方法がクラウドにとどまる点だ。


 AIは昨今のスマートフォンのトレンドになりつつあり、メーカーによってはクラウドでの処理とオンデバイス処理の両方を活用する事例もある。クラウドでの処理はインターネットへの接続を伴うため、例えばスマートフォンが圏外や機内モードだと動作しない場合がある。一方、ほとんどの処理を端末内で完結するオンデバイス処理の場合、クラウドを経由しないことから圏外環境でも利用でき、反応速度はプロセッサに依存する面がある。


 AIのオンデバイス処理について、OPPOはどのように考えているのだろうか。中川氏は、「オンデバイス処理では端末のスペックに依存してしまうため、ハイエンドモデルでしかAIを体験できないのがデメリットだ」と話す。続けて、「ミッドレンジやローエンドのモデルを使っているお客さまに提供するためには、オンデバイス処理の縛りを超えて提供していかなければならないため、クラウド処理を選択した」と説明した。


 河野氏は、「日本においてはクラウド型を採用している」としつつも、「70以上の国や地域でスマートフォンを販売しているOPPOは、国・地域ごとによってハイブリッド型やオンデバイス型、あるいはクラウド型というように複数の選択肢を持っているメーカーだ」と補足し、グローバルと日本とではAIの処理方法と選択肢が異なることを明らかにした。


●Googleとの連携で「アプリをまたいだAI体験」も可能に


 河野氏は、Googleとの連携によるプライバシーとセキュリティの確保もアピールした。日本のユーザー向けには、プライバシーとセキュリティを最優先し、Googleとの緊密な連携により開発されたAI機能を提供するという。Googleとの連携により、複数のアプリをまたいだAI体験が可能になり、GeminiからOPPO純正アプリにアクセスできる。Gemini 1.5 ProおよびGemini 1.5 Flashとの連携により、0.2秒で205のテキスト処理が可能になり、思考と同じ速度で動くという。


 さらに、河野氏は「ユーザーのプライバシーとデータセキュリティはこれまで以上に重要な課題となっている」と前置きし、OPPOが強固なセキュリティ「Google Cloudのコンフィデンシャルコンピューティングを活用したTCC(Trusted Computing Core)」をいち早く導入した数少ないスマートフォンメーカーの1つであることもアピールした。この点を踏まえ、河野氏はユーザーに向けて、大切なデータが完全に守られた環境で処理され、OPPOやクラウド事業者が個人のデータに触れることができない点を強調した。



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