レースのスタートシーン 2026WEC第2戦スパ 5月9日、ベルギーのスパ・フランコルシャンでWEC世界耐久選手権の2026年第2戦『トタルエナジーズ・スパ6時間レース』の決勝が始まった。
現地時間14時(日本時間21時)にスタートが切られたレースは、折り返しとなる3時間が経過した時点では、11番グリッドスタートから他陣営とは異なる戦略を選択したBMW Mチーム WRTの20号車BMW Mハイブリッド V8(ロビン・フラインス/レネ・ラスト/シェルドン・ファン・デル・リンデ)がリードしている。
本来3月に開催予定であったカタールでの開幕戦が、中東情勢を受けて10月へと延期。4月にイタリアのイモラで第1戦が行われたWECは、舞台をベルギーの山間部、スパ・フランコルシャンに移した。6月にはシーズンの大一番である第3戦ル・マン24時間レースが控えており、その前哨戦とも位置づけられる一戦だ。
■マグヌッセンとジョビナッツィが火花
8日に行われた予選/ハイパーポールでは、94号車プジョー9X8(プジョー・トタルエナジーズ)がマルテ・ヤコブセンのドライブによりポールポジションを獲得。これはプジョーにとっても、ヤコブセンにとっても現行WECで初めてのポールポジションとなった。
迎えた決勝日は晴天、気温18度/路面温度34度というドライコンディションのなか、94号車プジョーのロイック・デュバルを先頭にレースはスタート。オープニングラップでは12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)がケメルストレートで首位を奪い、隊列をリードしていく。
トヨタ・レーシングでは12番手スタートの7号車TR010ハイブリッドでマイク・コンウェイ、16番グリッドの8号車でブレンドン・ハートレーがステアリングを握った。ハートレーは40分経過を前に早めのルーティンピットへと飛び込み、ピット・シークエンスを他車からオフセット。上位陣およびチームメイトと戦略を分けつつ、クリーエアのなかで走行する戦略を選んだ。
序盤に10分強のセーフティカー導入時間があったことにより各車の最初の給油タイミングは通常よりも少々伸び、ハイパーカークラスの上位勢はちょうど1時間が経過したところから、続々とピットレーンに向かった。
ここで、給油時間を短縮したとみられる20号車BMWのレネ・ラストが首位を奪い、戦略がオフセットしている8号車トヨタも2番手へと暫定的にトラックポジションを上げた。これに最初の1時間をリードした12号車キャデラックが続いた。
8号車トヨタは1時間30分経過時点で2度目のピットへと向かい、ハートレーから平川亮へと交代。次の周には暫定首位の20号車BMWも作業を行い、シェルドン・ファン・デル・リンデへとバトンを託し、異なる戦略をとるこの2台が注目を集めることに。
また、7番手を巡っては15号車BMWのケビン・マグヌッセンと51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)のアントニオ・ジョビナッツィが激しいバトルを繰り広げていたが、ターン5から6へと進入するところでBMWに押し出される形でジョビナッツィがコースアウト。ポジションを失うこととなった。
1時間50分を経過するところから2度目のルーティンピットが始まるが、ここで2番手に順位を上げていた50号車フェラーリがタイヤ交換でタイムロス。同時ピットでニック・デ・フリースへとバトンをつないだ7号車トヨタが一時先行した。ニクラス・ニールセンへと代わった50号車フェラーリはコース上で7号車を抜くも、このロスにより一時ポイント圏外までポジションを下げることとなった。
20号車BMWと8号車トヨタは、3回目のルーティンピットも他陣営より20分以上早めの作業となり、この2台が作業終えると12号車キャラデックが首位を奪い返すというシーソーゲームの様相に。ここで20号車BMWはさらにピット時間を切り詰めたか、ベーシックな戦略を採るグループがピットに迎かう前の時点で、6番手でコースに復帰し、着実にトラックポジションを上げていった。
キャデラックに次ぐ2番手には35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)がつけ、その後方で3番手をめぐって36号車アルピーヌのビクトール・マルタンス、94号車プジョーのテオ・プルシェール、51号車フェラーリのジェームス・カラドの3台が接近戦を展開し、94号車が3番手に浮上。
そして、2時間46分が経過した時点で、デブリ回収のために短時間のフルコースイエローが導入される。このタイミングで7号車トヨタはちょうど3度目のルーティン作業を行っていた。
約2分でFCYが解除となると、上位勢は続々と3度目のルーティンピットへ。これにより20号車BMW、8号車トヨタがまたしても暫定のワン・ツーを形成して、レースは折り返しを迎えた。この戦略がオフセットしている2台に続いているのは、3度目のピットで給油時間を短縮して12号車キャデラックを逆転したとみられる35号車アルピーヌだ。5番手には009号車アストンマーティン・ヴァルキリー(アストンマーティンTHORチーム)、6番手には50号車フェラーリが続いている。7号車トヨタは11番手を走行中だ。
■LMGT3はフェラーリ296 GT3が首位で折り返し
LMGT3クラスでは、78号車レクサスRC F LMGT3(アコーディスASPチーム)がクラスポールからスタート。77号車フォード・マスタングLMGT3(プロトン・コンペティション)がすぐに首位を奪うが、直後にターン15で無念の単独コースアウトを喫し、これが最初のセーフティカー導入につながった。
2スティント目に入ると88号車フォードが首位を奪い、78号車レクサスが続く展開に。多くの陣営でブロンズドライバーが役目を終え3スティント目に入ると、21号車フェラーリ296 LMGT3エボ(ビスタAFコルセ)のサイモン・マンがクラストップに立ち、88号車フォード、78号車レクサスが続く形となった。
レースはこのあと、現地時間20時(日本時間10日午前3時)にフィニッシュを迎える予定だ。
[オートスポーツweb 2026年05月10日]