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フランスのゲーム会社であるUbisoftは5月14日(現地時間)、2025年度4月期(4月14日までの1年間)通期決算を発表し、売上高は前年比20%減の18億4600万ユーロと「目標をわずかに下回った」とした。原因は「(発売の)タイミングの問題」という。
注目タイトルの「Assassin’s Creed SHADOWS(アサシン クリード・シャドウズ)」については「プレイヤーから非常に高い評価を受け、堅実なパフォーマンスを披露し、ブランドの強さを浮き彫りにした」としている。
しかし株式市場は敏感に反応。決算が発表されると同社の株価は一気に18.2%下落し、9.55ユーロに。過去5年間のピークから86.18%下がった水準となった。
Ubisoftの共同創業者でもあるイヴ・ギユモCEOは「今年は厳しい年だったが、逆風にもかかわらずUbisoftは年度を通じてプラスのフリーキャッシュフローを生み出すことができた」という。「私たちは会社の将来を強化し続けるための断固たる措置をとった」。
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同社は、24年9月以降に従業員を約3000人削減し、固定費を約2億500万ユーロ(前年比12%減)減らした。今後2年間で少なくとも1億ユーロをさらに削減する方針だ。
●「Ubisoftは新たな章を迎える」とイヴ・ギユモCEO
近年大ヒット作に恵まれていないUbisoftは、24年春に満を持して日本が舞台のアサシン クリード シャドウズを発表した。しかし主人公が実在した黒人の弥助であったことからポリコレやDEI的な思想を感じとった海外ユーザーが反発。さらに開発陣の誤った歴史認識に基づく言動や画像の無断使用などで日本でも“炎上”状態が続いた。
2度にわたる発売延期を経て、今年3月20日にようやく発売すると、その数日後にUbisoftは「複数の配信プラットフォームで高評価を得た」とアピール。例えばSteamでは4.79/5、Xboxでは4.5/5の評価が付いたという。
一方でUbisoftは3月28日、アサシンクリードシリーズや「Far Cry」「Tom Clancy's Rainbow Six」などの開発チームを年内に子会社として独立させると発表した。新会社には中国のTencentが合計11億6000万ユーロ(約1890億円)を出資する予定だ。
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イヴ・ギユモCEOは、子会社設立に触れ「年内の取引完了に向けて着実に前進している。この重要なマイルストーンは、当社のレバレッジを完全に解消し、持続可能な長期的成長への足がかり」として「Ubisoftは新たな章を迎える」と宣言した。
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