
割り勘にアバウトな友人
自分がお金に細かい人間なのだろうかとつい考えてしまうというフミさん(39歳)。「学生時代からの仲間と4人で時々会うんですが、レイコという友人が、なぜか割り勘に対してすごくアバウトなんですよ」
分かりやすく言うと、4人で食事をして8600円だったとする。1人あたり2150円だが、レイコさんは「あ、じゃあ2000円ね」と言って、2000円を出すと席を立ってしまうのだ。
悪気があるわけではないが、「はっせん、という言葉を聞いたとたん、4で割って2000円と思い込んでしまう」らしい。
「いや、違うと言おうとするとあとの2人が、いいよいいよと払ってくれてしまう。いつもレイコだけが得をしているようで、私はモヤモヤしているんですが、あとの2人がそれでいいみたいなので、レイコには言い出せなくて……」
かと思うと、同じような合計額のとき、レイコさんはたまに「私、いいことがあったから5000円出しちゃう」ということもある。フミさんは、それもあまり歓迎できないと不満顔だ。
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私が狭量なのか
「いくつか不満があるんです。理由もないのに人に奢られるのは釈然としないこと、彼女が5000円出すことであとの割り勘が面倒なこと、さらに期待もしていないのに私たちはレイコにお礼を言わなければいけないこと。ときには食後に行った喫茶店で、レイコの分を私たち3人で出そうよということにもなる。そういうのってすっきりしないから、きちんと割り勘にしたいんですよね、私は」
シェアせず、自分の食べたいものを頼んだときも同じだ。フミさんは自分の分は自分で払うつもりでいるが、レイコさんは「4人とも大幅に値段の違うものを食べたわけじゃないから、割り勘でいいじゃない」と主張する。
「楽しい時間を過ごしているんだから、そんなことを気にする必要はないと自分でも分かっているんですよ。それなのにどうしてもすっきりしない。私が狭量なんでしょうね、きっと」
些細なことだが気になってしまう彼女の気持ちに同意する人も少なくないのではないだろうか。
おつりをくれない彼
今どきのデートは基本的には割り勘の人たちが多い。その方が気楽に付き合えるのも確かだろう。「1年付き合っている彼は、テーブルで割り勘にして支払うのを嫌がるんですよ。見栄を張っているのかもしれません。そんな彼に合わせて、レジで支払うのは彼。店を出てから割り勘分を私が彼に渡すことにしているんです。でも彼、おつりをくれないんですよ」
サヤカさん(36歳)はそう言う。細かい話だけどと前置きしつつ、例えばランチをして2人で2750円だったとする。彼女はすぐに1人1375円と計算して、彼に1500円を渡す。ところが彼は125円を返してこない。
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彼の方がたくさん飲んでいるのに
苦笑いするサヤカさんだが、もう少し大きな金額になっても彼の態度は変わらない。つい最近、たまにはちょっとおいしいものを食べに行こうと、2人で人気のイタリアンに行ったことがあった。「好きなだけ食べてお会計となったとき、1万7000円ちょっとだったんです。彼の方がワインをたくさん飲んでいるし、私が7000円くらいでもいいかなと思いましたが、一応、店を出てから『いくら?』と聞いたら8500円ね、端数はオレが出すからって。
さすがに『はあ?』と言っちゃいました。あなた、私の3倍はワイン飲んでるよって。そうしたら『数えてたわけ? セコいなあ』と笑いながらだけど逆ギレ状態で」
支払い以外の場面で、彼に対してモヤモヤしたことはないし、彼が仕事のことを語るときの真摯(しんし)な感じや、どんなときもきちんと連絡をくれる律儀さなどをサヤカさんは評価している。ただ、今後の付き合いを考えると「どうしたものか」と思い悩む日々だという。
「いっそ正面切って話し合った方がいいのかもしれないけど、逆にもう少し様子を見ようかとも思って。おそらくこの金銭感覚の違いは埋まらないだろうから、私が慣れるしかないような気がします。慣れることができるかどうか、あと1、2カ月考えてみたい。友達は『きっとダメだよ』と言いますけど」
それ以外はいい人なんだけどと、彼女はため息交じりにつぶやいた。
文:亀山 早苗
フリーライター。明治大学文学部卒業。女性の生き方を軸に、家族、夫婦関係、働き方などをテーマに取材・執筆を続ける。くまモンの追っかけ歴は長く、近著に『くまモン力』がある。
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