
「最近、母親のパンの消費量が増えた。
高齢だから柔らかい食感が食べやすいのかな?と思っていたが理由は他にあった。
母よ。白いお皿をもらうために、せっせと点数集めなくていいよ。
お皿なら100円ショップで買った方が安いじゃない…
そう言いかけてやめた。
高齢者にとってはパンを買いに出かけるのも運動。
台紙にシールを貼るのも点数を計算するのも脳トレ。
そして何より楽しんでやっているのだから、それを取り上げるような事を言う必要はないかな?と思っている」
sisikenさん(@sisiken7)がThreadsに「春のパンまつり」にまつわるエピソードを投稿。共感の声や新たな視点への称賛が続々と集まっています。
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「その通り!皿が欲しいのではなく、貯まっていく過程を楽しんでいるのだ」
「落としたら床が凹むヤマザキの皿ですね!丈夫で安心だから、実用面でも高齢者に良いかも」
「シール集めた達成感を味わってるのね」
「パンまつりに、寝たきり予防認知症予防効果があったとは!」
「お母様想いの素敵な考え方♡」
「コスパ良いし、お母様の運動と脳トレ兼ねているなら最高」
「私の母も毎年集めています。母の出かけるキッカケになるので良し」
と、パンまつり参加を全肯定するコメントのほか、みなさんお皿の強度についてもよくご存知の様子。
例年話題になる「ヤマザキ春のパンまつり」。対象商品に点数シールが付与され、今年も2月1日〜4月30日にかけて実施。30点分で「白いデリシャスボウル」がもらえたおなじみのキャンペーンです(お皿引換期間は5月25日まで、北海道地区は6月22日まで)。
88歳のお母さまのお気に入りのコンビニは「デイリーヤマザキ」だそうで、その後についてsisikenさんにお話を聞きました。
点数が集まらず、お皿をもらえないことも
――お気に入りのコンビニが「デイリーヤマザキ」と。
まだ体力がある頃は「コンビニよりスーパーの方が安くて品数が多い」とあまり利用していなかったのですが、段々と体力が低下して買い物も困難になってからは生鮮食品や日用品は主に生協で、買い足しは近所のデイリーヤマザキをよく利用するようになりました。
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店内調理の商品もいろいろあり、その中でお気に入りを見つけて利用が増えた結果、点数も貯まっていったようです。
ちなみに、母のお気に入りは「ばくだんおむすび」と「塩バターパン」です。母に教えてもらって私も「ばくだんおむすび」のファンになりました。
――お母さまはいつからパンまつりに参加を?
自分でお皿をもらおうと参加したのは、ここ2〜3年だと思います。3年くらい前までは行動範囲も広く、パン屋さんでお気に入りを購入する事もありました。ですので、あまり点数が貯まらず達成できない事が多かったようです。
私に「パンの点数集めてる?うちに何点かあるからあげようか?」とよく言っていましたし、ずーっと前から達成せずとも参加することでお祭り気分を味わっていたようです。
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――お皿は普段からお使いに?
母も私も使っています。白で使い勝手が良いのはもちろんですが、やはり頑丈ですからね。何年も前にもらった物も使っています。
北陸に住んでいるのですが、2024年の能登半島地震でも割れなかったと私の周りでも有名なお皿です。
――ということは、sisikenさんも例年パンまつりに?
気が付けば、私も毎年参加していますね。ただ、積極的に集めるというよりは、とりあえず取っておいて欲しい人がいたらあげようというスタンスです。そうこうしているうちに意外と貯まったり、同じような方からもらったりする事もあったりという感じです。
――その後、お母さまはお皿に交換を?
実はこの投稿1ヵ月後に母が自宅で倒れてしまって。幸いにも奇跡的な事が重なって発見→搬送され、奇跡的な回復力で現在は一般病棟に入院し、リハビリに励んでいます。
――そんな出来事が! それはお母さまもsisikenさんもさぞや大変だったのではないかと。
入院騒動で実家の引き出しで探し物をしていた時にシール台紙を見つけまして。母が集めていた点数は28点でした。
面会や必要な物を持って行くのに実家で姉と待ち合わせる事が多く、デイリーヤマザキでお昼ご飯を買う機会が増えました。そんなわけで、母の28点に私と姉の分が加わり計90点になりました。無事に交換でき、お皿を3枚獲得。毎年せいぜい1枚分だったので、今年の3枚は快挙です(笑)。
母が「今年のはちょっと深さがあるから欲しいのよ」と言っていた事を交換したお皿を見て思い出しました。今回はプレートではなくボウルだったのがやる気に繋がっていたみたいですね。
――今回の投稿に、シールを集める過程を楽しむ方や、親世代の楽しみを尊重したいといったコメントが多く寄せられていました。
反響の大きさには本当に驚きました。私の見守る姿勢にイイねしてくださった方、母の楽しみに共感してくださった方、介護職の方からのコメントも嬉しかったです。たくさんの反響がありながら否定的なコメントがほとんどどなかった事も嬉しかったです。
特に なるほど!と思ったのは「老後のあいうえお」というコメントです。
あ・会いたい人に会う
い・行きたいところに行く
う・歌いたい歌を歌う
え・遠慮しない
お・面白いことをやる
これは現在60代の私も参考にしたいと思うコメントでした。
――お母さまが少しずつとはいえ回復傾向でいらっしゃって本当に何よりです。
入院で母の生活はガラッと変わりました。 大好きな食べる事も制限があり、韓国ドラマを見る事もできなくなり、面会にも制限があります。 ずっとベッドの上の生活なので足の筋肉も落ちてしまい、少しずつ歩行訓練などのリハビリを頑張っています。
できる事が限られた中でも新たな楽しみを見つけて欲しいと思います。私には見守りしかできませんが、これからもサポートし続けていきます。
パンまつりは「母との思い出」として特別なイベントになりそうです。これからも続いてほしいですね。お皿は「思い出のお皿」になっていくことでしょう。今後もずっと使い続けます。
◇ ◇
パンを買いに行くことが「運動」になり、点数計算で「脳トレ」になり、集める過程を楽しんでらっしゃったお母さま。sisikenさんがお母さまの生活を尊重してらっしゃる姿も素敵です。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)