古い薬局でニヤリと笑って渡された薬とは? 「おばあちゃん家に常にありました」「秘薬みたい」

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2025年06月19日 12:00  まいどなニュース

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めちゃ古い薬局で、ニヤリと笑って渡された薬(提供:健康最高さん)

「めちゃ古い薬局で
胃とか肝臓とか改善したいんですけど
っていったら
ニヤリと笑ってこれ飲め言われた」

【写真】1回に服用する30粒ずつ、小袋に入っています

 こんなコメントとともに、「大峯山」(奈良県吉野郡)と書かれた黄色い箱の写真がXに投稿されました。「大峯山」(奈良県吉野郡)とは、約1300年前に役行者(えんのぎょうしゃ)が開いた修験道(しゅげんどう:山岳で修行する道)で有名な山です。

 箱にはほかに、「和漢胃腸薬」「第3類医薬品」「陀羅尼助丸」の文字が、筆で書いたようなフォントで印刷されています。

 投稿した「健康最高」(@yrzXlZARNuPcPsv)さんは、「お酒の飲み過ぎで胃と肝臓を痛めてます(笑)」とのことで、伊勢神宮近くの薬局で「これ飲め」と言われて購入したそう。投稿には1.6万以上の「いいね」がつきました。

「なんかの秘薬みたいですが、めちゃくちゃ効きそうですね」
「我が家の常備薬です。修験道の開祖がつくられたのが起源だとか。普段薬は飲みませんがこの薬だけは頼りにしています。」
「そんなモノがあるとは知らんかった!」
「おばあちゃん家に常にありました お腹痛い時飲まされました よく効いた気がします」
「生まれも育ちも奈良県民ですが、ちょっとお腹の調子が悪いと『だらすけ飲んどき〜』って祖母や母親に言われてました! いかに苦味を感じずに飲めるかを試される良薬ですね。」

投稿にはたくさんのコメントが寄せられ、特に奈良県では常備薬として家庭に置かれていることが多いようです。

 陀羅尼助(だらにすけ)は、大峯山で修行中の役行者が山伏たちのために山中の黄檗(キハダ)から、万病に効く「だらすけ」の製法を伝授したことが起源と伝えられているそう。つまり陀羅尼助の主原料はキハダ(オウバクエキス)です。ほかにガジュツ末やゲンノショウコ末などが含まれます。

 薬は小さな黒い粒状で、大人(15歳以上)は1回に30粒服用します。日本独自の漢方処方「和漢胃腸薬」であり、第3類医薬品としても認められています。発売元として記載されていた「銭谷小角堂」(奈良県吉野郡)の銭谷さんにお話を聞きました。

――現在5代目なのですね、創業された年は?

 有限会社にしたのは、昭和61年です。火災による喪失もあり、資料がなく、正確な設立年が分からないのですが、明治時代には、現在の場所にあったようです。

――陀羅尼助の作り方は、代々受け継がれているのでしょうか。

 板状の陀羅尼助の製法は、古来、変わりません。現状、主流である粒状のものは、少しずつ工夫、改善されながら現代に伝わっています。

――もともとあった「板」はどうやって飲むのですか?

 当時は、板を割って飲むほか、板を火であぶって丸めたり、白湯に溶かしたりしていたようです。現代の薬機法では、割る以外の飲み方は認められていません。

――今も「板」(第2類医薬品)を販売されています。

 板チョコのような形状の飴状のお薬で、硬くて苦いです。1袋に1枚入っており、割線に沿って割って飲んでいただくものになります。

――お店がある、天川村の洞川(どろがわ)温泉郷には、陀羅尼助丸を販売するお店が多数あるようですね。

 現状、洞川温泉にあります販売店で扱われているものは、当地の陀羅尼助販売店共同で運営する大峯山陀羅尼助製薬有限会社にて製造しております。代表は当社先代である銭谷龍平です。それ以外に、吉野山や広島にも製造元がありますが、こちらは製造方法の異なるものとなります。

――Xで陀羅尼助が話題になりました。

 幅広い層のみなさまにご興味をお持ちいただき、大変うれしく思っております。

 ◇ ◇

 健康最高さんは、「正しい食事の徹底が理想ですが、なかなか難しい面もあると思います。体調が優れないときは出来るだけ自然のもの、天然のものを原料にした薬をお勧めいたします」と話しています。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)

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