
「あの〜、ダイソーのオーブン粘土で作ったんですけど、東洋陶磁美術館にありそうなんできたw」
【童子型水滴】文花作
そんなひと言とともに投稿された粘土作品が「X」で大注目されました。ふくふくとした笑顔の童子が両手で水差しを持っている造形の見事さにたくさんの人が魅了されました。記事執筆時点でポストには「8.9万件」もの「いいね」がついています。
「人間国宝に認定致しますw」
「プロの方ってすごい 弘法筆を選ばず」
「やはりXは万博より万博してるな」
「なんだ、ただの天才か かわいいー」
「何でも鑑定団行き決定だ!」
童子の愛らしさに心を打たれた人たちからの声が届きました。
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作者のお名まえは「中田文花(もんか)」さん(@nakatabuncho)といい、日本画家、造形作家、漫画家、そして華厳宗僧侶などの活動を通して日本の伝統文化を伝えているアーティストです。なんと関西ローカルの人気情報番組「よ〜いドン!」にて「となりの人間国宝さん」に認定されたこともあるのだそう。また、四天王寺聖霊会の歴史やその儀式について絵と文で解説した「絵で見る四天王寺聖霊会」(海風社)を今春出版しました。
童子のモチーフは「薬師寺の国宝「慈恩大師像」の隅っこに描いてあるかわいい水差し」だとリプライでいう中田さん。制作過程をお聞きしたうえで実際に焼き上がった画像もご提供いただきました。
「可愛らしさを世に伝えたくて」
――なぜこのモチーフを選ばれたのですか?
薬師寺の国宝「慈恩大師像」の隅っこに描かれている水滴(水差し)の可愛らしさを世に伝えたくて実際に作ってみました。
――「人形は手のひらに乗るサイズですが、4袋使用しました」とリプライでおっしゃっていました。ダイソーの粘土を使って成形する際、こだわった点があれば教えてください。
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こだわった点は実際に水を入れることができることです。表面の艶は、爪の甲で粘土を磨いてあるためです。
――大きな反響がありました。今後の制作のモチベーションが上がるような、印象的なコメントがあれば教えてください。
「人間国宝に認定します」です。すでに「となりの人間国宝さん」に認定されているので笑ってしまいました。
焼成後はさらに風格が
中田さんは話題になった投稿のリプライ欄に、「ダイソーのオーブン粘土。数日乾燥して焼き上がりました!」という報告と共に焼成後の童子の全体像を、続けて「焼成前→焼成後 質感の変化。私も初めて使う粘土なのでので、こうなるんだ〜って感じです。 水滴の中だけ防水コートを塗って再度焼成。 やってみてね!」というひと言とともに表情のビフォーアフターの比較写真も投稿しています。
焼成後の写真を見た人からは、
「古色入った!」
「より古風な趣になりましたね。」
との声も上がりました。
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「となりの人間国宝さん」に続き、あの番組にも…!?
また中田さんは、今回の大反響に寄せられたコメントについては「あと『何でも鑑定団に出して欲しい』というも多かったのですが、実はたまたま8月にわが町に番組が出張来るので応募しちゃいました。採用されるかどうかはわかりません」とも話しています。
(まいどなニュース特約・山本 明)