本木雅弘「黒牢城」カンヌ映画祭で公式上映「60歳にして初めて。思い出できた【お伊勢参り】」

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2026年05月20日 13:45  日刊スポーツ

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カンヌ映画祭でフォトセッションに臨む、カンヌプレミア部門出品「黒牢城」の、左から宮舘涼太、菅田将暉、本木雅弘、青木崇高、黒沢清監督(C)Kazuko WAKAYAMA

フランスで開催中のカンヌ映画祭でカンヌプレミア部門に出品された、本木雅弘(60)が主演、黒沢清監督(70)が時代劇に初挑戦した「黒牢城」(6月19日公開)が19日、公式上映された。


約1000人の観客からスタンディングオベーションを受け、本木は「時代劇という異文化をどんな風に解釈してくれるんだろうと、少し不安に感じていましたが、本作が伝える“現代へのメッセージ”を、セリフが無い無音の中でも感じ取っていただけているような、皆さんがスクリーンに引きつけられている姿を、確かに肌で感じました」と瞳を潤ませた。


「黒牢城」は、暴虐な織田信長に反発し籠城(ろうじょう)作戦を決行した荒木村重が、織田軍に囲まれ孤立無援の中、血気盛んな家臣たちを押さえながら妻千代保を心の支えに人々を守ろうと苦心。その中、密室と化した城内で少年が殺されるなど怪事件が次々と発生し、誰もが容疑者は城内にいる家臣や身内の誰かではないか? と疑心暗鬼になる中で、地下牢に幽閉した信長の使者の、危険な天才軍師・黒田官兵衛から助言を与えられた村重が、共に謎の解決に挑む戦国系心理ミステリー。荒木村重を本木、妻千代保を吉高由里子(37)官兵衛を菅田将暉(33)が演じる。


出品されたカンヌプレミア部門は、21年に設立された世界史、民族、風土、生活習慣、信仰など現代社会を取り巻くテーマを描いた作品を選ぶ部門。公式上映には、本木をはじめ菅田、荒木久左衛門役の青木崇高(46)乾助三郎役のSnow Man宮舘涼太(33)が参加し、上映後には囲み取材に応じた。本木は「私にとっては、60歳にして初めてのカンヌでした。短い時間でしたが、一生語れる思い出ができたという【お伊勢参り】だったかな、と。上映会を終えて、一言では語り切れない喜びがありました」と笑みを交え、感慨を口にした。


菅田は「ミラクルな初体験でしたし、日本の試写会で見たときよりもリラックスしてお客さんとしても楽しめたような、不思議な時間でした」と感激。「(観客の反応は)想像以上に笑いが起こったり、日本の言葉遊びみたいなところも伝わってるような、皆さんと一体感が感じ取れてとても誇らしい気分でした」と振り返った。


青木は、11年にコンペティション部門に出演作「一命」(三池崇史監督)が出品された際、カンヌ映画祭に参加した経験がある。当時は米ューヨークの語学学校に通っている中、休みをとって自腹で渡航し、野宿などをして、自費でカンヌにたどり着いたことも話題となった。「心地よい安堵(あんど)感に包まれて、体がポカポカするような気持ちです。本編が始まる前に、配給会社をはじめ関わった会社が映されるだけで拍手が起きたりするのは、カンヌ映画祭ならではだなと感じました」と、カンヌ映画祭への思いを吐露。「拍手に包まれている時間は照れくさい時間でもありましたが、会場を後にするときは急激な寂しさも感じて…。そういうのも全部含めて、とても幸せな気分になっています。これからの人生で作品に向きあう時に、今日の瞬間を、多分思い出すんじゃないかな、と思います。今後もずっと頑張っていける“糧”になるような、本当にうれしい瞬間でした」と感慨深げに語った。


黒沢清監督は、08年「トウキョウソナタ」で、ある視点部門審査員賞、15年の「岸辺の旅」で同部門監督賞をそれぞれ受賞するなど公式部門への出品は6度目となった。「私のファンは、大勢の方がホラー好きなので、『これ、ホラーじゃないんだよな…。ガッカリされないかな』と、正直不安な思いで会場に入りました」と笑った。その上で「私自身は、日本の時代劇を届けるという気持ちよりは普遍的な物語として皆さんの心に伝わってくれたらうれしいな、と思いながら作った映画ですので、上映後には、皆さんから温かい拍手をいただけて感激しました。カンヌをはじめ色々な映画祭に参加してきましたが、上映後の拍手が皆さん本気で拍手してくれているな、祝福してくれているなと感じて、そんな経験は初めてでした。皆さんのおかげでこんな映画ができたことが何よりもこの経験につながっているんだな、と、しみじみ感じております」と語った。

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