衆院憲法審査会に臨む古屋圭司会長(中央)ら=14日、国会内 与野党は14日の衆院憲法審査会で、緊急事態条項の創設に関する「イメージ案」の議論を開始した。主要な論点のうち、内閣による「緊急政令」制定の是非で、与野党の見解が対立。憲法改正を巡る合意形成の難しさが改めて浮き彫りになった。
イメージ案は、緊急政令について「法律と同一の効力を有する」と規定。大規模災害などで「国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるとき」に制定できると記した。
自民党の新藤義孝元総務相は「究極の事態に陥った時に備えて条項を設けることは必須だ」と強調。日本維新の会の馬場伸幸前代表も、イメージ案をベースにした条文案の作成を訴えた。
一方、改憲に前向きな国民民主党の玉木雄一郎代表は、個別の法律で対応できると主張し、緊急政令の必要性を否定。「合意形成を急ぎ、来年春の国会発議を目指すなら、あえて蒸し返さない方が得策だ」と与党側にくぎを刺した。
中道改革連合の国重徹氏は、記者団に「(緊急政令は)必要ないという立場だ」と述べ、国民民主に同調。チームみらいも丁寧な議論を求めた。
参政党は、国会議員の任期延長を可能にする「選挙困難事態」の要件として、イメージ案に感染症のまん延が例示されていることに反発する。審査会では、和田政宗氏が「時の内閣の恣意(しい)的な感染症まん延による緊急事態認定で、緊急政令が行われる危険性がある」と慎重論を展開した。
高市早苗首相(自民総裁)は4月の党大会で、1年以内に国会発議のめどを付けると表明。自民側には、議論が先行する緊急事態条項であれば、合意が得られやすいとの思惑がある。新藤氏は記者団に、審査会の下で条文起草委員会を立ち上げ、具体案の検討入りを求めていくと強調した。
もっとも、与野党間では議員任期延長の期間など、緊急政令のほかにも温度差のある論点は多い。中道幹部は「合意形成を行う場合、かなり精緻な議論が必要になる」と指摘。与党ペースで議論が進むことをけん制した。