スキンケアと美容医療の違いとは？目的別に選ぶ“美肌ケア”の最適解

美しい肌を保ちたい、若々しさを維持したいと願うのは自然な欲求です。現代では、日常のスキンケアから専門的な美容医療まで、さまざまな手段が選べるようになりました。この記事では、スキンケアと美容医療の効果や安全性、そして自分に合った賢い使い分け方を紹介します。

1.スキンケアとエイジングケアの効果と安全性は？

1）スキンケアやエイジングケアとは

スキンケアとは、日常的に行う肌のお手入れのことを指します。具体的には、洗顔やクレンジング、化粧水や美容液などによる保湿、日焼け止めなどによる紫外線対策などの基本的なケアから、目元美容液やアイクリーム、美白用の医薬部外品を使った集中ケアまで含まれます。
エイジングケアもスキンケアの一部ですが、定義としては「年齢とともに変化する肌の状態に合わせたお手入れ（スキンケア）」で、エイジングサイン（シワ、たるみ、くすみなど）に対応するためのものです。
エイジングケアでは、ハリや弾力を維持するためのコラーゲン生成を促進する成分や、肌のターンオーバー（新陳代謝）を助ける成分を含むエイジングケア化粧品を使用します。代表的な成分には、レチノール、ビタミンC誘導体、ナールスゲン、ナイアシンアミド、ネオダーミル、ヒト幹細胞培養液エキスなどがあります。

2）スキンケアやエイジングケアの効果

適切なスキンケアとエイジングケアを継続的に行うことで、以下のような効果が期待できます。

●肌の保湿：乾燥による小じわの予防や改善
●肌のバリア機能強化：外部刺激から肌を守る
●肌のターンオーバー正常化：くすみの改善や肌の明るさの回復
●シミやそばかすの予防：美白化粧品（医薬部外品）の使用
●軽度の小じわやハリ不足の予防と改善

エイジングケアは20代から始めると予防効果が高く、すでに表れているエイジングサインには現状維持程度の効果が中心です。

3）スキンケアやエイジングケアの安全性

市販のスキンケア製品は、一般的に安全性が高く設計されています。
多くの方にとっては、問題なく使えますが、以下の点に注意が必要です。

●個人の肌質や体質による違い：同じ製品でも人によって反応が異なる。
●アレルギー反応の可能性：新しい製品を使う際はパッチテスト実施が望ましい。
●有効成分の濃度：市販品は医療機関で処方されるものより低濃度に設定されている
●使用方法の遵守：過剰使用や誤った使い方は肌トラブルの原因になりうる。また、過小使用では効果を発揮しないことがある。

また、スキンケア製品の副作用としては、赤み、かゆみ、ヒリヒリ感、乾燥などが挙げられますが、多くの場合は一時的なものです。自分の肌に合った製品を選び、正しい使い方をすることで、肌トラブルを最小限に抑えられます。

スキンケアやエイジングケアは、毎日、正しく使うことで健やかな肌状態をキープするためのものです。

2.美容医療の効果と安全性は？

1）美容医療とは？

美容医療とは、医師や医療従事者など専門家の管理のもとで行われる、美容・審美目的の医療行為です。
美容皮膚科や美容外科などの医療機関で受ける医療であり、市販のスキンケア製品では得られない効果を目指します。
看護師は医師の管理下で医療行為を行えますが、エステティシャンやビューティアドバイザーは医療行為を行うことはできません。

美容医療には大きく分けて、非侵襲的治療と侵襲的治療があります。
侵襲とは、医学用語で、手術や処置、検査などで生体に何らかの負担や影響を与えることを指しますが、美容医療の非侵襲的治療とは、主に切開を伴わない医療機器による施術や医薬品による治療を指します。
一方、美容医療の侵襲的治療とは、主に切開を伴う美容外科的な施術を指します。
また、美容医療は保険適用外の自由診療であり、費用は全額全額自己負担になります。

非侵襲的治療の例

レーザー治療（シミ、くすみ、毛穴の開き、ニキビ跡など）
光治療（フォトフェイシャル）
ケミカルピーリング
ボトックス注射（しわの改善）
ヒアルロン酸注入（しわやたるみの改善）



侵襲的治療の例

フェイスリフト（顔のたるみ改善の手術）
脂肪吸引
二重まぶた形成術
豊胸手術




2）美容医療の効果

美容医療の特徴は、スキンケアよりも即効性があり、より顕著な効果が期待できる点です。
具体的な効果としては、次のようなものです。

●シミやそばかすの除去：レーザー治療により、大きなシミを短期間で薄くしたり除去したりできる
●しわやたるみの改善：ヒアルロン酸注入により、即時的な改善が可能
●ガミースマイルの改善：ボトックス注射によりガミースマイルが改善できる
●肌質の改善：ケミカルピーリングにより、くすみやざらつきを改善し、肌のトーンを均一に
●フェイスラインの引き締め：高周波治療やハイフ、糸（スレッド）リフトにより、たるみを引き上げる
●体型の改善：脂肪吸引やボディコンツーリングにより、部分痩せや体のラインを整える

スキンケアが「日々の積み重ねによる穏やかなセルフケア」であるのに対し、美容医療は「医療従事者の手による目的に応じた高い改善効果を狙った医療」です。

3）美容医療の安全性

美容医療は医師の管理下で行われるため、専門的な知識と技術に基づいた安全性への配慮がなされています。しかし、医療行為である以上、以下のようなリスクや注意点があります。
施術の種類によってさまざまですが、次のようなリスクがあります。

●一時的な副作用：赤み、腫れ、内出血、痛みなど
●ダウンタイム（回復期間）：治療によっては、数日から数週間の回復期間が必要
●効果の不確実性：肌状態や個人差によって効果にバラつきがある
●まれな合併症のリスク：感染、瘢痕形成、神経障害など

安全に美容医療を受けるためには、信頼できる医療機関の選択が重要です。医師の経験や実績、施設の設備、アフターケアの充実度などを事前にチェックして選びましょう。
また、施術前に十分なカウンセリングを受けて、効果や安全性、費用、必要性を自分自身でしっかり理解、納得することが大切です。

3.スキンケア＆エイジングケアと美容医療はどう使い分ける？

スキンケアと美容医療は、対立するものではなく、相互に補完し合う関係にあります。それぞれの特性を理解し、目的や状況に応じて使い分けることが大切です。

1）スキンケアやエイジングケアがおすすめの場合

●緩やかに肌の老化を防ぎたい場合
●日常的なケアでコツコツと肌質を改善していきたい場合
●急激な改善ではなく、現状維持や緩やかな改善を望む場合
●比較的低コストで続けられるケアを望む場合
●副作用やダウンタイムのないケアを望む場合

2）美容医療がおすすめの場合

●短期間で目に見える効果を得たい場合
●頑固なシミ、深いしわなど、スキンケアでは改善しにくいエイジングサインや老化に対して目に見える効果が欲しい場合
●結婚式や同窓会など、特定の日までに見た目を整えたい場合
●長期間適切なスキンケアを続けても効果に満足できない場合
●医療技術による基づいた治療を望む場合

3）効果的な併用法

最も効果的なのは、日常のスキンケアと必要に応じた美容医療を組み合わせるアプローチです。
基本は日常のスキンケアである洗顔、保湿、紫外線対策などの基本ケアは、美容医療の施術を受けるか否かに関係なく毎日続けることが大切です。
また、年齢や肌状態に合わせたエイジングケアは、30代以降はレチノールやビタミンC誘導体、ナイアシンアミド、ナールスゲン、ペプチドなどを含む製品を取り入れることもおすすめです。
こうしたスキンケアやエイジングケアの土台の上に定期的な美容医療でのメンテナンスを行うことがより効果的です。
例えば、3か月に1回程度、おでこの表情ジワにボトックス注射を売ったり、1年に1度アルロン酸注入を行うなどが一例です。
また、ハイフや高周波治療も半年に1度程度取り入れることでたるみの改善が可能です。
施術はほかにもたくさんあり、適切な施術間隔や回数は異なりますので、その点は美容クリニックで医師に相談しましょう。

4. まとめ

スキンケアと美容医療の効果や安全性、そして効果的な使い分け方までを詳しく解説しました。
美しい肌を保つための方法は、一人ひとりの肌質、年齢、生活環境、予算などによって異なります。大切なのは、自分に合った方法を見つけ、継続することです。
美容に正解はありません。「若さを保つこと」だけが美しさではなく、年齢を重ねることで生まれる表情や個性も、かけがえのない魅力です。スキンケアやエイジングケア、美容医療は、そんな自分らしい美しさを引き出すための手段の1つと考えることで、より前向きに取り入れることができるでしょう。
自分自身を大切にし、心身ともに健康であることが、最も美しく輝く秘訣かもしれません。肌の健康は、バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理など、生活習慣全体から生まれるものです。スキンケアやエイジングケア、美容医療と併せて、健康的なライフスタイルを心がけましょう。

＜参考記事＞
「ナールス美容医療アカデミー」
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「ナールスエイジングケアアカデミー」

（富本 充昭・エイジングケアやスキンケアのアドバイザー）