AI半導体、激化する競争=米エヌビディア、好決算もリスク

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2026年05月21日 21:02  時事通信社

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時事通信社

米半導体大手エヌビディアの本社=カリフォルニア州サンタクララ(EPA時事)
 【シリコンバレー時事】米半導体大手エヌビディアが20日に発表した2026年2〜4月期決算は、純利益が前年同期比3倍超の好決算となった。一方で、それを支える顧客の米巨大IT企業は自社開発の人工知能(AI)半導体に力を入れており、競争は激化している。

 エヌビディアはAI半導体市場で約8割のシェアを握るとされ、2〜4月期の売上高の9割はデータセンター向け半導体が占める。主要顧客であるグーグルなど巨大IT4社の26年の設備投資額は最大計7250億ドル(115兆円)と見込まれ、エヌビディアの収益源となっている。

 この一強状態に挑むとして注目を集めているのが、グーグルが開発するAI半導体「TPU」だ。AIの運用などに最適化されており、同社の生成AI「ジェミニ」やクラウドで活用されている。近年AI開発で重要性が増している、回答を導き出す「推論」に特化したモデルも開発する。

 米メディアによればメタ(旧フェイスブック)が2月、数十億ドル規模でのTPU利用で契約。グーグルは4月の決算後の会見で、TPUを一部の顧客に直接外販する方針を発表し、シェア拡大に意欲を燃やす。アマゾン・ドット・コムも自社開発の「グラビトン」などを顧客に提供しているほか、メタも推論に最適化された独自半導体「MTIA」の新型の開発に注力し、エヌビディアへの依存度低減に動く。

 エヌビディアも、昨年ライセンス契約を締結した米半導体新興企業の技術を取り込み、推論の性能を高めた新製品を展開するなど、新たな需要獲得に力を入れる。一方で、20日に公開した当局に提出する書類の中では、顧客が半導体の自社開発や提供に乗り出していることをリスク要因として明記。「競争に打ち勝てない場合、当社の製品やサービスへの需要が減少し、事業に悪影響を及ぼす恐れがある」と危機感を示した。 
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