
人手不足や賃上げ、業務量増加などへの対応策として、生成AIへの関心が高まっている。帝国データバンクの調査によると、生成AIを業務で「活用している」(「非常に活用している」「やや活用している」の合計)と回答した企業は34.5%だった。
内訳は「非常に活用している」が4.4%、「やや活用している」が30.2%だった。一方で「あまり活用していない」は13.6%、「ほとんど活用していない」は23.3%と、活用が進んでいない企業も約4割に上った。「今は活用していないが、今後の活用を検討している」は14.2%で、「活用を禁止している」企業は0.4%にとどまった。
規模別では、企業規模が大きいほど活用率が高い傾向がみられた。大企業では「活用している」が46.5%なのに対し、中小企業は32.4%、小規模企業は28.0%だった。
業界別では「サービス」(47.8%)、「金融」(38.6%)、「不動産」(34.9%)の活用率が高かった。一方、「建設」(26.4%)や「運輸・倉庫」(27.5%)は相対的に低い水準となった。
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企業からは「積極的に活用したい。生成AIに関連する技術や情報を有効に活用することは企業にとってメリットが大きい」といった前向きな声がある一方、「人がメインで補助的に活用するのは良いが、依存度が高くなり、人が思考しなくなるのが心配」などの慎重な意見もあった。
用途としては「文章の作成・要約・校正」(45.1%)が最も多く、「情報収集」(21.8%)、「企画立案時のアイデア出し」(11.0%)が続いた。「データの集計・分析」は7.4%、「コード生成などのプログラミング支援」は5.9%にとどまった。
帝国データバンクは「現時点では、業務判断そのものの代替というより、情報整理や文章化など、判断の手前にある業務の補助として用いられている様子がうかがえる」と分析した。
●人材育成に関する懸念も……
活用による悪影響やトラブルについては「ない」とした企業が67.7%で最も多かった。
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悪影響として最も多かったのは「AIを使いこなせる社員と使いこなせない社員の間で、能力や成果の格差が拡大した」(18.8%)で、特に大企業では23.6%と全体を上回った。「社員が業務をAI任せにして、仕事への意欲やスキルが低下した」(4.0%)、「若手が育たなくなった」(2.2%)といった、人材育成について懸念する声もあった。
一方で「出力結果の誤りにより社内外でトラブルや損害が発生した」は1.3%、「会社の機密や保有する個人情報などが流出した」は0.7%にとどまった。
活用における懸念点や課題は「情報の正確性」(50.4%)が最も多かった。以降「専門人材・ノウハウ不足」(41.3%)、「生成AIを活用すべき業務の範囲」(40.0%)、「情報漏えいのリスク」(33.5%)、「トラブル時の責任所在などのルール整備」(25.5%)が続いた。
大企業では「専門人材・ノウハウ不足」「情報漏えいのリスク」が相対的に高く、小規模企業では「システム導入への資金不足」が高かった。
具体的には「誤った情報を正解と捉えてしまいトラブルになった」「AIに頼る頻度が増えてスキルが低下する心配がある」といった意見が寄せられた。
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帝国データバンクは「生成AIの活用が進むほど、ツール選定以上に、社内の標準的な使い方をどう整えるかが問われることになる。導入そのものの有効性よりも、使いこなすための仕組みづくりが成果を左右する段階に入っている」とコメントした。
本調査は3月17〜31日、全国1万312社から回答を得た。
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