国・自治体の「EV補助金ドブ捨て」がヒドすぎる!! 万博EVバスは"墓場"から撤去、充電会社は民事再生...

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2026年06月04日 07:10  週プレNEWS

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EVバス問題の対応を巡り、5月14日、大阪府大阪市で記者会見に臨んだ大阪メトロの河井英明社長


EVバス問題の対応を巡り、5月14日、大阪府大阪市で記者会見に臨んだ大阪メトロの河井英明社長


EV(電気自動車)を巡る現実は厳しさを増すばかりだ。リアルワールドで採算が合わず、ついに経営破綻まで招く事態となった。それでもなお、国や自治体はEV関連補助金を投じ続ける。果たして"EV一本足打法"は、本当に日本の未来を照らす光なのか!?

*  *  *

【"EVバス墓場"の 異様すぎる現実】

これまで一部メディアは「EVシフトこそ正義」「環境のためにはEVしかない」とあおり続け、国や自治体も巨額の補助金をつぎ込んできた。

しかし現実はどうか。国内のEV普及率は新車販売のおおむね2〜3%にとどまり、期待された"EV一本足時代"は本格到来には程遠い。

そのゆがみを最も露骨に示したのが、SNSなどで拡散された"EVバスの墓場"。大阪メトロの敷地に、100台を超えるEVバスが動かぬまま並ぶ。

本来は大阪・関西万博で来場者輸送を担った車両だが、ブレーキが利かない、ハンドルが切れないなど、重大事故につながりかねない不具合が続発。昨年12月以降、大量放置という異常事態に陥っていたが、最終的に全190台の今後の運用が断念された。

5月18日、この"墓場"は一部だけ動いた。しかし搬出されたのは小型バス2台のみで、光景はほとんど変わっていない(大阪メトロは6月中にバスの移動を完了させたいとしている)。

車中泊で日本一周をした漫画家の小田原ドラゴン氏はこう皮肉を込める。  

「万博そのものに興味がなく、この話も知りませんでした。ただ、羽虫が大量に飛んできて来場者の目や口に入るという話だけは聞いていて、行きたくないと思っていました。EVバスも走りたくなかったんでしょうか」


5月18日、大阪メトロの敷地にある話題の「EVバス墓場」から、EVモーターズ・ジャパン製のバスが撤去され始めた


このEVバスの正体について、自動車業界関係者は次のように明かす。  

「当初、一部で"国産"と報じられていましたが、実態は中国メーカーへの委託生産です。販売元のEVMJ(EVモーターズ・ジャパン)が、中国・福建省の新興メーカーに製造を委託しました。品質面の懸念は当初から指摘されていたといいます」

全国に納入されたEVMJの車両のうち、国土交通省の検査では3割超で異常が確認され、85台がリコール対象に。大阪メトロの追加点検でも問題が発覚し、同社保有の全車両が使用停止となった。万博後に予定されていた路線バス転用や自動運転実証は白紙となり、巨大な不良債権へと変貌した。

代償は極めて大きい。大阪メトロは2026年3月期に67億円の特別損失を計上。運用できなくなった車両の減損37億円に加え、国や自治体から受けた補助金の返還見込み額を約30億円としている(補助金の総額は40億円超)。

「さらに深刻なのは、販売元EVMJが今年4月に民事再生法の適用を申請し、事実上破綻している点です。負債は約57億円。責任の所在も回収の見通しも不透明です」(前出・自動車業界関係者)

なぜこんな事態に至ったのか。自動車ジャーナリストの桃田健史(けんじ)氏はこう指摘する。  

「結果論としては、バス事業者によるEVバス選定のプロセスが甘かった。EV製造販売事業者の民事再生手続きという事実上の倒産を受け、事態がどのように収拾するのか先が読めない。いわゆる"万博バブル"だったわけですが、国を含めて関係各社の責任の所在を今後、国民に対して明確にする必要がある。補助金の原資は税金ですから」

自動車誌元幹部は苦笑いしながら言い切る。

「今回の件は、まさに"血税のドブ捨て"です」

【インフラ整備が先に崩れた現実】

問題は車両にとどまらない。EV充電インフラでも同様の崩壊が起きている。

中部電力グループのミライズエネチェンジと子会社3社が民事再生法の適用を申請。負債は約47億円に達した。補助金頼みのインフラ整備事業を柱に拡大してきたが、前提が崩れた。EVが売れず、充電器が使われない。設置は進んだものの稼働率は伸びず、維持コストだけが積み上がった。

桃田氏はこう語る。  

「充電インフラ事業そのものに、将来性がないとは言い切れない。充電インフラ事業者それぞれの経営方針や、経営基盤に差がある。ただし、充電インフラとEVは『鶏と卵』の関係といわれて久しいが、充電インフラの整備が先行しても、EV普及数が伸びない印象は拭えません」

では、課題はなんなのか。  

「トータルでのマネタイズができていない。この点は、自動車メーカーなどでつくる業界団体・日本自動車工業会で社会実装のあり方について議論が進んでいます」 

そもそも日本は2050年カーボンニュートラルを掲げ、マルチパスウェイ構想を推進してきたが、EV偏重とも受け取られかねない政策が続いている。2026年度、国はCEV補助金に約1100億円を計上し、最大130万円の購入補助を用意した。

物価高で実質賃金が下がり続ける中、この補助金に疑問の声が上がるのは当然だ。

桃田氏はこう指摘する。

「EV補助金が目立ってしまっているのは事実。本来、補助金は需要拡大に向けた呼び水だが、日本におけるEV普及の助走があまりにも長い。直近で日系メーカー各社が一斉にEVモデル拡充の見直しを公表したこともあり、補助金のあり方が問われる。

また、EVのリセールバリューが悪いことからも、国民の目には補助金の無駄遣いに映る」

一方で目まぐるしい国際情勢への注意を促す。

「アメリカのEV市場の急激な縮小は、第2次トランプ政権が、オバマ、バイデンの民主党政権で推進された環境政策を大幅に緩和したことが直接の原因です。

一方、欧州では欧州委員会の政策修正によりEV需要が一時減速しましたが、中東情勢によるガソリン高の影響で持ち直し、エネルギー安全保障の観点から注目されています」

しかし、依然として日本ではEV普及は進まず、関連事業は破綻と損失を積み重ねる。問われているのは理念ではない。結果である。国と自治体の説明責任は免れない。

【写真】撤去が始まった「EVバス墓場」

取材・文/週プレ自動車班 写真/共同通信社

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